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投稿者:dahon

口コミ掲示板フランスの偉人達が眠る場所

2012-05-16
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写真1 ルクサンブール宮殿。フランス上院会議場、大きい公園の中にある。

写真1 ルクサンブール宮殿。フランス上院会議場、大きい公園の中にある。【外観】 写真登録日:2012-05-16

写真2 パンテオン ローマにも同名の物があるが、元祖はそちら。左側に小さく見えているのがサンテティエンヌ・デュ・モン教会

写真2 パンテオン ローマにも同名の物があるが、元祖はそちら。左側に小さく見えているのがサンテティエンヌ・デュ・モン教会【外観】 写真登録日:2012-05-16

フランス元老院(上院)のあるリュクサンブール宮殿(写真1)を見た後、※パリ大学などが集まる学生の街※カルチェラタンへ向かってぶらぶら歩いていると、ギリシア風の建物(写真2)が目にとまり、入場した。

夕方遅い時間に行ったので、閉館時間間近だから急いで見て回った方がいいと係の人に言われる。すぐに目に入ってくるのが、天井から吊された大きな丸い重り。それがゆっくりと振れている。理科で習ったフーコーの振り子(レプリカ)である。これで地球の自転を証明したんだと、しばし感慨に浸っていたら、先ほど入り口にいた係員が、自分の腕時計を示しながら、ここの最大の売りは地下の偉人達の墓だよ、墓!早く行かないと!と真剣な顔をして迫ってくる。その言葉に促されるようにして、慌てて地下へ行くと、荘厳な雰囲気の中、ビクトル・ユゴー、デカルト、ルソー、ボルテール、ゾラと歴史の教科書で学んだフランスの偉人達が静かに眠っている。後日になって1階にジャンヌ・ダルクの墓などもあったことを知り、もっと余裕をもって見てまわるべきだったと、残念に感じた。

パンテオンのすぐ隣にあるサンテティエンヌ・デュ・モン教会のステンドグラスも、なかなか素晴らしかったので、ぜひセットでご覧になるといいと思う。カルチェラタン近辺は、物価の高いパリにあって、学生向けのビストロなども多く、リーズナブルなお値段で食事を楽しむことができる恰好の場所である。貧乏旅行中の私は、その後何度か足を運ぶことになった。

※パリ大学は第1大学から第13大学まであり、カルチェラタン近辺の第1~第4大学をソルボンヌ大学と呼ぶこともあるらしい。いわゆる一般の大学とは別に、フランスには他国に類をみないグランゼコール(Grandes Écoles)と呼ばれる独特なエリート教育機関が存在する。パンテオンのすぐ近くにそのグランゼコールの一つである高等師範学校があるので、興味のある方は足を伸ばしてみたらいかがでしょう。グランゼコールの中でも特に有名なのはパリ政治学院、国立行政学院(ENA)で、特にパリ政治学院→国立行政学院と進むのが、フランスでエリートになるためには必須の要件になっているようである。しかし、どのグランゼコールも定員は100名程度なので、想像を絶する熾烈な受験競争を勝ち抜かねばならない。フランス人は長いバカンスをとる印象があるが、それは一般庶民の話。グランゼコール出身のエリート達は休み無く働き続ける。

※カルチェラタン カルチェは地域、ラタンはラテン語という意味で、ラテン語を話す教養のある人達が集まる地域という意味らしい。中世期からフランス学問の中心地であったようだ。今でもビストロやカフェで熱心に勉強をする学生達を多く見ることができる。 
訪問日:2010/03