パリ市立近代美術館

ミュゼ・ダート・モダン・ド・ラ・ヴィル・ド・パリMusée d'art moderne de la Ville de Paris

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パレ・ド・トーキョーの東翼にある市立美術館。広いスペースに作品が無理なく展示されている気持ちのよい空間!

パレ・ド・トーキョーの向かって左にある

パレ・ド・トーキョーの向かって左にある

こんにちは、パリナビです。パリの美術館といえば、ルーブルに始まりオルセー、ポンピドゥー、オランジュリー・・・と枚挙にいとまがありません。大小約140の美術館があるパリですが、意外とおすすめなのがパリ市立の美術館です。これらの美術館はパリ市が経営しており、内容の充実度にも関わらず常設展が無料なのです(企画展は有料)。

中でもパリ市立近代美術館は、内容の充実度や規模はトップクラス。1937年のパリ万博の際に日本館として建てられ、1961年に美術館として落成しました。16区のシャイヨー宮にほど近いパレ・ド・トーキョーの東翼に位置し、展示室やカフェからはエッフェル塔が望めるという絶好のロケーションも見逃せません。
有名アーティストの企画展も多い

有名アーティストの企画展も多い

こちらでは1920年代から現代に至るまでの近代美術を扱っています。2010年にピカソやマティスの絵画計5枚が盗難被害にあったことも記憶に新しいですね。被害額としては史上2位だそうです。

さて、美術館は常に企画展を開催しています。絵画、写真、空間アートまでと多岐にわたるジャンルのアーティストの作品をシーズン毎に紹介。キースへリング等有名アーティストも多く、プログラムは常に要チェックです。

常設展は、2階をメインにテーマ毎に部屋が分かれています。5階のデュフィ室、3階のマティス室、1階のボルタンスキー室はそれぞれのアーティストの作品のみを展示した、特別展示室となっています。

アーティストに特化した3つの展示室

迫力の壁画

迫力の壁画

5階のデュフィ室では、ラウル・デュフィによる高さ10m、幅60mという巨大な壁画「La Fée Électricité(電気の妖精)」が壁一面に展示されています。

この作品はもともと1937年のパリ万博の際に光館の壁画として描かれ、電気の発見から現代の形に至るまでの電気の歴史を表しています。エジソンをはじめとした多くの科学者も同時に描かれているので、偉人を探すのも楽しいですよ。
電気の歴史をひもとく

電気の歴史をひもとく

偉人達を見逃さないように

偉人達を見逃さないように

じっくりと見学しよう

じっくりと見学しよう

より色鮮やかな「パリのダンス」

より色鮮やかな「パリのダンス」

3階のマティス室では、その名の通りマティス作の3連ドーム型の「ダンス」の連作とダニエル・ビュランのストライプの作品が展示されています。展示室に入るとすぐに現れるのは、ブルーを基調としたモノトーンの「未完成のダンス」。そして奥には同じ構成でよりビビッドに描かれた「パリのダンス」が。

この2つの作品は、いずれもアメリカのアルバート・バーンズ博士による依頼で財団のために作成され、従来の方法ではなくマティス独自の新しい描画テクニックを使って描かれています。しかし「パリのダンス」は、寸法違いで作成してしまったため再び未完成のまま終わった作品。3度目の正直で1933年に完成された「画架」は、無事財団に設置されたといういわくつきです。
2013年のキース・ヘリング展

2013年のキース・ヘリング展

デュフィ室の右側部分

デュフィ室の右側部分

マティスの「未完成のダンス」

マティスの「未完成のダンス」

テーマ毎に展示室が分かれたメインフロア

広々とした空間から始まる

広々とした空間から始まる

さらに下に下がると、迷路のように小さな展示室が入り組んでいるメインの2階フロアになります。各展示室はテーマ毎に区切られ、絵画はもちろんのこと彫刻などの立体作品、インスタレーション、写真、グラフィックまで幅広く展示されています。

このフロアのテーマは・・・「フォーヴィズムとキュビズム」「抽象ー創造」「アールデコ」「ダダとシュルレアリズム」「エコールドパリ」「フォートリエとグルーベー」「抽象」「エティエンヌ・マルタンからの寄贈」「ヌーヴォー・レアリズム」「ベルナール・ビュフェ」「1950年代」「シモン・アンタイ」「コンテンポラリー」「マルティン・フランクへのオマージュ」という構成になっています。
ロベール・ドローネ作「リズム N°1」

ロベール・ドローネ作「リズム N°1」

ここでは見逃せない作品があるのでご紹介します。「抽象ー創造」の展示室では、主にロベール・ドローネの2つの作品「リズム N°1」「エッフェル塔」に注目。作品の向こうには本物のエッフェル塔が見えるので、ぜひ見比べてみましょう。

「ダダとシュルレアリズム」の展示室では、フランシス・ピカビアの「恋人たち」、「エコール・ド・パリ」の展示室では、シャガール、モディリアーニ、レオナール・フジタの作品が展示されているのでお見逃しなく。

「アールデコ」や「コンテンポラリー」の展示室では、それぞれの時代の代表的な作品が展示されているので、近代美術の時代の流れがわかるようになっています。
ロベール・ドローネの「エッフェル塔」

ロベール・ドローネの「エッフェル塔」

アールデコ展示室

アールデコ展示室

フランシス・ピカビア「恋人たち」はシュルレアリズムの展示室で

フランシス・ピカビア「恋人たち」はシュルレアリズムの展示室で

レオナール・フジタ「寝室の裸婦キキ」

レオナール・フジタ「寝室の裸婦キキ」

モディリアーニ「青い目の女」

モディリアーニ「青い目の女」

シャガールの名作「夢」(右)

シャガールの名作「夢」(右)

エッフェル塔が望めるカフェのテラスへ

美術館のもう一つのマストスポット

美術館のもう一つのマストスポット

そして一番下の階にあるボルタンスキー室は、フランス人アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの展示室となっています。初期のグロテスクな作品が映されたショート・フィルムや、記憶や生命、死をテーマにした写真やインタレーションが展示されています。

そして最後に、ここに来たらぜひ訪れて頂きたいのが展望カフェです。マティス室の向かいの出口に出ると、左側にブックショップ、右側がセルフサービス形式のカフェとなっていて、外のテラスにも席があります。天気の良い日はテラス席が人でいっぱいになり、目の前にはセーヌ川とエッフェル塔が広がっていることもあって大人気です。

近代美術を堪能した後は、こちらでのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか?以上、パリナビでした。
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記事登録日:2013-04-26

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スポット登録日:2010-12-01

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