ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ博物館

Musée Jean de la Fontaine

閉店・移転、情報の修正などの報告

イソップ童話のフランス版、ラ・フォンテーヌ寓話詩を書いたジャン・ド・ラ・フォンテーヌ。博物館に生まれ変わったその生家には作品にまつわる展示品がいっぱいです!

パリから1時間、日帰り観光に便利なシャトー・ティエリー

パリから1時間、日帰り観光に便利なシャトー・ティエリー

こんにちは、パリナビです。たまにはちょっと足を延ばして、パリから日帰りで行ける観光スポットへ行ってみませんか?今回訪れる場所はシャトー・ティエリー(Château-Thierry)です。パリの東駅から電車で約1時間。地理的にはオー・ド・フランス(フランス北部)に入りますが、すぐ隣はイル・ド・フランス圏とシャンパーニュ地方で、シャンパーニュの産地でもあります。そしてここは、あのイソップ童話のフランス版、ラ・フォンテーヌ寓話の作者であるジャン・ド・ラ・フォンテーヌが生まれた町でもあるんですよ。
そこで今回はフランス版イソップ童話の館、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ博物館をご案内!中世の雰囲気そのままの素敵なスポットを探検しましょう!

パリから1時間、シャトー・ティエリーへ

東駅からトランシリアンに乗ります。

東駅からトランシリアンに乗ります。

シャトー・ティエリーへは東駅からイル・ド・フランス圏を走る郊外電車のトランシリアンに乗っていきます。トランシリアンに乗るには予約もいらず、駅でチケットを買えばOK。座席指定もないので、どこでも自由に座ることができます。二階建て式になっていて、上の車両に乗ればパリ郊外の静かな風景がよく見渡せますし、下の車両はより間近に楽しむことができますよ。この電車は郊外に住む人の通勤の足にもなっています。特に途中駅のモー(Meaux)にはたくさんの人が住んでいて、この駅を過ぎると電車の中もぐんと乗客が減ります。
電車に揺られること約1時間、終点のシャトー・ティエリーに到着~!

ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの生家

博物館の入り口

博物館の入り口

ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの像

ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの像

ところでジャン・ド・ラ・フォンテーヌとはどんな人でしょうか?
フォンテーヌは17世紀の詩人です。1621年にシャトー・ティエリーで生まれました。お父さんは地域の王族が所有する水と森を管理する役人で、フォンテーヌもその後同じ仕事を引き継ぎましたが、しだいにパリでの文学活動に傾倒していきます。その後、財務長官フーケの保護を受けてルイ14世のお抱え詩人になりました。
フォンテーヌの作品で一番有名なのは「ファーブル」という寓話詩です。これはみなさんもご存じのイソップ童話をもとにした詩集で、なんと1668年から1694年まで書き続けられた作品です。ファーブルというのはフランス詩のスタイルの1つですが、今ではこのフォンテーヌによる寓話詩の代名詞のようになっています。有名な「アリとキリギリス」や「キツネとつる」など、日本でイソップ童話として親しまれているものは、フランスでは「ファーブル」として知られています。

さて、現在博物館となっているのは、フォンテーヌが生まれた家です。
入場料は一般5ユーロ。入口から通路を抜けるとすぐに中庭へ出るようになっています。ここには「アリとキリギリス」の挿絵がお話の順番に展示してあります。田舎のお屋敷らしい素朴な庭に癒されますよ!
素朴な庭に癒されます♡ 素朴な庭に癒されます♡

素朴な庭に癒されます♡

時代ごとに分けられた展示室

12世紀の間

12世紀の間

12世紀の間

12世紀の間

ラ・フォンテーヌ博物館は、時代によって展示室が分けられています。まずは地上階。最初にある12世紀の間には有名なフォンテーヌの肖像画が飾られています。続いて13世紀の間は、寓話詩をテーマにし絵画や、様々な画家による当時のイラストをたくさん展示。あまり知られていない寓話詩のイラストも見ることができます。そして、それぞれ違うお話をモチーフを刺繍した椅子にも注目!どれも細かいところまで職人の技が生きています。こんな贅沢な椅子は座るのがもったいないほど!?
13世紀の間。寓話詩の初版も展示 13世紀の間。寓話詩の初版も展示 13世紀の間。寓話詩の初版も展示

13世紀の間。寓話詩の初版も展示

この博物館は階段まで見どころ満載です。中世らしい石の階段の壁には、フランス東部エピナルで作られた版画がズラリと並んでいます。これは詩の内容を絵と文章で描き表してあるもので、ちょっと漫画にも似ています。カラフルに色づけされた味わいのある絵がレトロ可愛い!
石の階段がとっても中世っぽいです

石の階段がとっても中世っぽいです

エピナルの版画「アリとキリギリス」

エピナルの版画「アリとキリギリス」

レトロなグッズ、そしてフォンテーヌの書斎も

19世紀の間

19世紀の間

挿絵にも味があります

挿絵にも味があります

2階の見どころは19世紀の間です。この展示室は比較的広く、大型の絵画が存在感を出しています。時代を感じる天井の梁も中世そのもの!ここでは19世紀の画家たちによる絵画が集まっています。フォンテーヌの寓話詩は19世紀の画家たちも魅了する題材だったんですね。ファーブルをテーマにした絵はこの時代が一番豊かなのだそうです。
他の展示品で目を引くのは、寓話がモチーフになったお皿。言ってみればファーブルグッズでしょうか。可愛くておしゃれなお皿は思わずコレクションしたくなっちゃいます!他にも19世紀の子供向けおもちゃも展示。パズルやカードゲームなどなど、定番のおもちゃが色々で、ファーブルが安定の人気を誇っていたことがうかがえます。
アンティークなお皿、かわいいですね! アンティークなお皿、かわいいですね!
アンティークなお皿、かわいいですね! アンティークなお皿、かわいいですね!

アンティークなお皿、かわいいですね!

フォンテーヌの書庫では、直筆の原稿や手紙も保管しています。紙質にも筆跡にも歴史を感じる貴重な展示品です。また、2階にはフォンテーヌの使っていた書斎もあります。意外と狭い部屋なのに驚き。ここで官吏時代に来客に会っていたとか、またはファーブルを書き始めたかは、謎のままです・・・。
最後はまたエントランスへ戻ってきて見学コース終了。ブティックコーナーでは、寓話集の文庫本やファーブルグッズも売っています。広すぎず小さすぎずのとても快適なサイズの博物館ですが、充実の内容に大満足でした!
貴重な直筆! 貴重な直筆!

貴重な直筆!

ラ・フォンテーヌの書斎 ラ・フォンテーヌの書斎

ラ・フォンテーヌの書斎


シャトー・ティエリーは日帰りで遊びに行くにはとても便利。駅から博物館へのアクセスも、徒歩15分ほどで散歩しながら着いてしまいます。ちなみに博物館の向かい側にはティエリー城の城跡があるので、こちらもあわせて行ってみて下さい。マルヌ川を望む眺めはとても気持ちいですよ!
パリから気軽に行ける日帰りツアーをお届けしました!
以上、パリナビでした。

記事登録日:2022-03-23

ページTOPへ▲

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2022-03-23