フランスにおけるコロナ対策の強化(10月24日~)

コロナ第二波に対する対策がさらに強化されました。

10月22日、首相および各大臣により、コロナ対策のさらなる強化が発表されました。以下、日本大使館によるメールから抜粋。

1.カステックス首相
●仏の感染状況は悪化を続けており、第2波の状態にある。また、仏だけでなくヨーロッパの状況も非常に悪い。
●仏国内では、1週間の10万人当たり発生率は251人(40%増)。15日間で2倍。全ての年齢層に影響しているが、特に65歳以上では6週間で3倍。
●重篤者用の病床におけるコロナ患者の占有率は全国で44.3%、イル=ド=フランス地域では50%超過。
●先週、仏全国で衛生緊急事態(Etat d’urgence sanitaire)を宣言。先週の対象地域(9都市圏=16県)に加え、新たに38県と1海外県を夜間外出禁止令の対象とする。これにより、全体で54県+1海外県(人口にして4,600万人の国民)が対象となる。
※対象地域は以下のとおり。カッコ内は県番号。
Ain (01)、Hautes-Alpes (05)、Alpes-Maritimes (06)、Ardeche (07)、Ardennes (8)、Ariege (09)、
Aube (10)、Aveyron (12)、Bouches-du-Rhone (13)、Calvados (14)、Cote-dOr (21)、Drome (26)、
Gard (30)、Haute-Garonne (31)、Herault (34)、Ille-et-Vilaine (35)、Indre-et-Loire (37)、Isere (38)、
Jura (39)、Loire (42)、Haute-Loire (43)、Loiret (45)、Lozere (48)、Maine-et-Loire (49)、
Marne (51)、Meurthe-et-Moselle (54)、Nord (59)、Oise (60)、Pas-de-Calais (62)、Puy-de-Dome (63)、
Pyrenees-Atlantiques (64)、Hautes-Pyrenees (65)、Pyrenees-Orientales (66)、Bas-Rhin (67)、Rhone (69)、
Saone-et-Loire (71)、Savoie (73)、Haute-Savoie (74)、Paris (75)、Seine-Maritime (76)、Seine-et-Marne (77)、
Yvelines (78)、Tarn (81)、Tarn-et-Garonne (82)、Var (83)、Vaucluse (84)、Haute-Vienne (87)、
Essonne (91)、Hauts-de-Seine (92)、Seine-Saint-Denis (93)、Val-de-Marne (94)、Val-dOise (95)、
Corse-du-Sud (2A)、Haute-Corse (2B)、Polynesie francaise (collectivite outre-mer)
●外出禁止令は今週土曜0時から開始し、6週間の期間を想定。21時以降の外出については、先週来利用に供されている証明書が必要。夜間外出禁止令導入後、これまでに当局による32,033件のコントロールが行われ、4,777件の調書が作成されたが、外出禁止令の効果の判断には更なる期間を要する。
※特例外出証明書については、以下の当館HPを参照ください。
https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/gaishutsukinshi.html
●夜間外出禁止令の拡大でも流行が抑制できない場合には、より一層厳しい措置を検討する必要性あり。それを避けるための時間はまだあるが、残り時間は長くない。連帯基金などの経済的支援は夜間外出禁止令の対象地域全体に拡大する。
●テレワークの活用が企業に更に強く推奨されている。可能な場合は週の半分のテレワーク実施を期待。
●今後数週間、11月はさらに厳しくなり、死者の増加や医療機関にとっての試練が続く可能性。

2.ヴェラン連帯・保健大臣
●感染拡大の速度は第1波のときよりは遅いが、流行は拡大。
※1週間の10万人当たり発生率:8月は10人、現在は250人。サンテティエンヌなどでは800人に上る。
●15日ごとに倍増、今後15日後には新規患者数は5万件/日になる可能性。
●夜間外出禁止令の効果は一定期間経たないと出ないが、対象地域において来週初めから出始めることを期待。
●重篤者用の病床は従来5,100床、現在で5,800床(15%増)だが、2週間で7,700床に増加することが可能。第1波の際には10,700床まで増加した。
●直近1週間で160万回のPCR検査を実施、その結果の90%が48時間で提供されている。
●保健当局は、感染者や濃厚接触者に対し9万件/日の電話を行うなど、歴史的な努力を実行中。

3.セドリック・オ・デジタル移行・電子通信担当長官
●デジタルツールの利用により、各人は、ウイルスの流行を継続的に減少させるために実施される戦略の3本柱(検査する(tester)、警告する(alerter)、保護する(proteger))が主体となるだろう。
●検査:検査関連の政府情報提供サイト「DepistageCovid.gouv.fr 」を紹介。当該サイトにおいて、各人が自宅近くの検査場を特定することができ、また、検査の待ち時間も把握することが可能。
●警告:ウイルス対策を効率的なものとするため、本22日、アプリ「StopCovid」をアップデートした「TousAntiCovid」の提供を開始。StopCovidは、コロナウイルス感染症対策で有効たり得るに十分な数のダウンロードが行われなかったが、十分な数(数百万人規模)の国民がこのアプリをダウンロードし、起動すれば、このデジタルツールはコロナウイルス感染症対策として非常に有用なものとなる、英国やドイツでできたことがフランスでできない理由はないとしてダウンロードを呼びかけ。
TousAntiCovidの作動はシンプル(ダウンロード、起動させたままにしておくのみ。公共の場所で、アプリ保有者同士に接触があった場合、一方が検査で陽性結果を受けた場合、直ちに、もう一方がコロナウイルス感染者と接触したことの通知を受診)。これにより、自主隔離を行えば、他者に新たに感染させることを回避することが可能。同アプリ上で受領するメッセージを活用すればAssurance maladieが濃厚接触者と判断した人と同様に、検査の優先レーンにアクセス可能。なお、同アプリは国の当局が監査、承認した安全かつオープンなものでり、医学界からの非常に大きな支持を得た共同のツールである。また、TousAntiCovid上では、感染者数、R値(基本再生産数)、病床占有率などの情報も掲載される。
●保護:仏国民が一致して自己及び周囲の人々を保護するために有効な行為を受け入れている中、各人に合った助言を受けることも必要。医学界と共に開発されたサイト「MesConseils.fr 」の利用によって、疑問点の問い合わせ、各人にあった助言を受けることが可能。

4.バシュロ文化大臣
●自分(バシュロ大臣)は舞台芸術の業界関係者と集団、個別に昨21日(水)に面談し、地方議員とも会談。来週27日にも文化セクターの選ばれた団体との会合を予定。
●政府内の検討の結果、舞台芸術及び映画業界に対する総額1億1500万ユーロの追加支援策を確保した。
(1)既存の措置の伸長:新たに24日土曜日0時から夜間外出禁止令の対象となる38県に連帯基金等の既存の支援措置が適用。
(2)追加支援措置
ア 舞台芸術:8500万ユーロ
-5500万ユーロが音楽舞台芸術への支援に充当(そのうち、300万ユーロは製作者への支援)、国家音楽評議会がこの追加補助金を管理。
-上演税の免除を2021年第一四半期まで延長することを国民議会に提案。
-2000万ユーロを劇場支援(民間、公共、製作者)に充当。
-最大1000万ユーロをアーティスト、技術者のための緊急基金の倍増に充当。
イ 映画業界:3000万ユーロ
-映画鑑賞券販売業者への国によるチケット代補填
-映画鑑賞券販売業者、映画制作者及び映画館経営者に対する支援の強化

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-10-24

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