ケベック発祥のグルメ、絶品プティーンが食べられる専門店がパリに初オープン!パリでカナダの味を堪能しよう!
メゾン・ド・ラ・プティーン
こんにちは、パリナビです。突然ですが、皆さんはプティーンという食べ物を知っていますか?フライドポテトにグレイビーソースとダイス状のチーズをかけたカナダ料理です。現在はカナダ全般で食べられていますが、もともとはケベック地方発祥の料理だそうです。ケベック地方は16世紀からフランスによる植民地化が進んだ場所であり、カナダの中でもフランス語圏として知られています。
さて、そんなケベックの郷土料理であるプティーンの専門店が遂にパリにオープンしました!その名も「メゾン・ド・ラ・プティーン(La Maison de la Poutine)」。パリ初の専門店と言うことで注目を浴び、評判も上々。今回はこちらのお店をご紹介したいと思います。
パリ2区、グルメの流行発信地
トナカイの角が目印
まずはお店の場所から。パリの中心部であるレ・アールから伸びるモントルグイユ通りを進んでいきます。地元の人や観光客にも人気のモントルグイユ通りはいわゆる常設市場でもあり、平日でも沢山の人達で賑わっている活気のある通りです。メゾン・ド・ラ・プティーンはこの通りと交差するマンダール通りにあります。一歩入ると少し落ち着いた雰囲気になるこの辺りの通りはグルメなお店がひしめき合う激戦区。美味しいものの流行発信地のようなエリアです。
ケベック州の旗を思わせる青い壁にガラス張りのお店がメゾン・ド・ラ・プティーン。トナカイの角がモチーフになった看板が目印です。
こちらではファストフード式にまずカウンターで注文します。プティーンのメニューは常時7種類ほど。スタンダードなタイプからお店のオリジナル、そして季節ごとに変わるメニューなどで、価格帯は単品で9ユーロから13.5ユーロです。これにプラス2ユーロでドリンクつき、プラス5ユーロでドリンクとデザートつきメニューにすることができます。
王道のクラシックプティーン
プティーン・モントリオール
まずはオーソドックスな「ケベック風プティーン」。
フライドポテトには、毎朝むきたての新鮮なじゃがいもを使用。少し太めのカットにすることでじゃがいものホクホク感も残ります。
味の決め手となるグレイビーソースはフランス語ではソース・ブリュンヌ(茶色いソース)と呼ばれます。基本的に肉汁+スパイスに玉ねぎなどを加え、文字通りブラウンになるまでよく煮詰めたもの。お店のグレイビーソースは秘密のレシピで作られた自家製ソースなのですが、ポテトとの相性が抜群。ブイヨンの深い味とほんの少し感じる甘みは非常にバランスがよく、「重いかも?」という最初の印象を吹き飛ばしてくれます。
揚げたてポテトにソースとチーズがたっぷり
プティーンの材料で欠かせないのは、ダイス型のチーズカードです。種類としてはチェダーチーズなのですが、よくハンバーガーに入っているあの黄色い味の濃いチーズとはまるで違います。色が白くてもちっとした歯ごたえがあり、例えて言えばモッツァレラチーズの感触に近いかも。
この特殊なチーズは、フランスのサヴォア地方で作られているものを使用。チーズを作るときの約80%までの行程で、成型・熟成の行程を省いたものをチーズカードと言いますが、このもちっとした独特な感触と、クセのないあっさりとした味だからこそ、濃いめのグレイビーソースや揚げてあるポテトにも合うのだと思います。これが味の濃いチーズだと飽きてしまうところでしょう。
全体的にとってもバランスがよく、さすが王道のプティーンです。
ベジタリアン
もう一つのベーシックなケベックのプティーンは「ベジタリアン」。野菜のソースに薄切りのパプリカやハーブをトッピング。見た目も鮮やかなプティーンです。こちらはグレイビーソースとは違い、かなりあっさりとした優しい味。パプリカのピリッとした風味がいいアクセントになっています。こってり系が苦手な人はこちらがお勧めです。
シェフの個性が光るオリジナルプティーン
季節のメニュー・豚肉のメープルシロップ煮込み
スパイシー・プティーン
さて次はシェフの腕が光るお店オリジナルプティーンをご紹介しましょう。牛肉をスパイスとともに味付けしたピリ辛風は、ベースのグレイビーソース&チーズに、長時間じっくり煮込んだビーフをたっぷりトッピング。イメージ的にはチリコンカン風というところです。でも辛さ自体はほとんどなく、スパイスの香りや風味の方が強く感じられます。ゴロゴロと入った牛肉はしっかり煮込まれているためほろりと柔らかく、なおかつ食べ応え満点。
常時7種類のメニューには、季節によって変わる期間限定プティーンもあります。その季節の素材などにより、大体1か月単位で違うメニューに変えていくとのこと。
今回は”tabarnak”というプティーンが登場。グレイビーソースとチーズの上に、メープルシロップで5時間煮込んだ豚肉をどっさり。そしてさらにポップコーンをトッピングというユニークな一品です。カナダの名産品の一つであるメープルシロップは、実はケベック地方がその生産量のほとんどを占めています。豚肉にしみ込んだ甘辛の味は、意外にもちょっと日本の煮物を思い出させます。そしてソースやポテトとの相性が抜群!カナダの味を全て網羅したような絶品プティーンです。
香辛料でやわらかく煮込んだ牛肉は絶品
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ホロホロの豚肉はメープルシロップの優しい味。ポップコーンのトッピングがアクセント
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ドリンク類もカナダで統一!
カナダのビールやソフトドリンクがずらり
こだわりはプティーンだけではありません。ドリンク類もカナダから取り寄せた、他のお店にはないラインナップ。お店の内装にも用いられているメープルシロップビールはお店の特注品。さらにカナダドライのジンジャーエール(パリではまず見かけません)やカナダ・コーラ、メープルウォーターなど、まさにカナダ尽くし!プティーンとのコンビネーションもしっかり考えられています。
ボリューム満点でどれも外れのない美味しさ。日本人の味覚にも合うプティーンは、特に寒い季節には嬉しい食べ物ですね。数あるケベック料理でもこれ一本で勝負するだけのクオリティとアイデアを感じました。ぜひアツアツのプティーンを皆さんもお試しください!
以上、パリナビでした。