パリから1時間20分で行ける世界遺産の町。中世にタイムトリップしたかのような、当時を思わせるモニュメントや町並みが魅力。名産であるバラ製品はお土産にぜひ買いたい。
新市街を流れるデュルタン川
こんにちは、パリナビです。今回は、パリから日帰りで行ける観光地プロヴァン(Provins)をご紹介します。
2001年に世界遺産に登録されたプロヴァンは、12~13世紀に最も繁栄した町。それ以降はだんだんと衰退して行きましたが、逆にそれが功を奏して中世そのままの街並が残されている貴重な場所です。
パリからプロヴァンへは直通の電車で1時間20分。ちなみに南仏のプロヴァンスとは全く別の町ですのでご注意を。
中世の町並みがそのまま残る旧市街
旧市街の中心シャテル広場にはレストランが多く集まる
地下道と市立病院は旧市街に入るとすぐにある
プロヴァンは西側の旧市街(Ville Haute)と東側の新市街(Ville Basse)に分かれています。まずは旧市街を散策。プロヴァン駅から歩いて10分ほどで旧市街の入口にある「地下道と市立病院」が見えてきます。そして長い上り坂道 「サン・チボー通り(rue st.Thibaut)」にさしかかり、中腹あたりでは、奥に「コンドリエル修道院(le Coubent des Cordelieres)」をひかえた町並みを見下ろす事ができます。
サン・チボー通りを登りきったところに現れるのが、旧市街の中心「シャテル広場(Place Chatel)」です。広場の東側には「地方と職人の館(La Maison du Terroir et de l’Artisanat)」があり、地元の名産物のショップや職人の作品を展示したギャラリーがあります。トイレや観光局もあるので、日本語ガイドマップをここでゲットしておきましょう。
賑やかなシャテル広場は、地方に多い木組みの外観の建築が集まる
シャテル広場にはカフェやレストランも集まっています。中庭がステキなホテル併設の3つ星レストラン、オ・ヴュー・ランパール(Aux Vieux Remparts)のほかカジュアルなビストロやクレープリーがあるので、お好みのお店でランチをどうぞ。
広場から観光局前の通りの坂を下って行くと、プロヴァン一の高台であり町のシンボルでもあるセザール塔(Cour Cesar)に着きます。町を一望したかったらここに登ってみましょう。高台から町を見下ろせば、当時権力をふるっていたシャンパーニュ伯爵家の王様の気分になれるかも。
セザール塔の先には立派なサン・キリアス参事会管理聖堂(La Collégiale Saint Quiriace)がそびえ立っています。実はこの聖堂、予算不足のため未完成のままなのだとか。17世紀に完成したドームが特徴となっています。
プロヴァンの典型的な家屋を再現したグランジュ・オ・ディーム
シャテル広場に戻り、今度はさらに西の城壁に向かって歩きましょう。広場からほどなくして、中世の家屋を再現したグランジュ・オ・ディーム(La Grange aux Dimes)を発見。オーディオガイドを借りれば当時の雰囲気を感じる事ができます。
広場から城壁に向かう途中のジュイ通り(rue de Jouy)は中世の田舎という言葉がぴったりののどかな通り。さて、町の西端、ジュイ門(La Porte de Jouy)に到着です。門の左右にのびる城壁には登る事ができますので、少し高台から町を一望してみましょう。
西のジュイ門につながるジュイ通り
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ジュイ通りはのどかな田舎の雰囲気が漂う
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賑やかで華やかな新市街
新市街に流れるデュルタン川とヴルジー川の川縁に飾られている花のデコレーション
川縁で食事も気持ちいい
旧市街は歴史を感じさせる穏やかな街並でしたが、東側の新市街はより賑やか。ところどころに川のある景色や教会などのモニュメントもあり、散歩するのが楽しい場所です。
新市街にはデュルタン川(le Durteint)とヴルジー川(la Voulzie)という二つの川が流れており、ところどころに見られる川縁の花のデコレーションは街の雰囲気をより華やかに演出しています。
19世紀の富豪の邸宅、ガルニエ庭園
デュルタン川の景観ポイントからほど近い、プロヴァン市民の憩いの場であるガルニエ庭園(Jardin Garnier)でひと休みしましょう。園内の池には二羽の白鳥がいたり、花が咲き乱れている美しい公園です。
ガルニエ庭園の裏の広場は、スヴニール・フランソワ小公園(Squere du Souvenir Francais)という市民のための公園になっていて、ここから後ろを振り返ると、旧市街の丘を眺める事ができます。
激動の歴史を生き抜いたサント・クロワ教会
ガルニエ庭園に戻り、すぐ東側に建つサント・クロワ教会(lEglise Saint-Croix)に立ち寄りましょう。この教会は、14世紀初頭の火災によりほとんどの部分は17世紀までに再建されたという歴史があります。内部見学は不可ですが、ルネサンス様式であるという正面に注目してみると面白いかもしれません。
市庁舎のあるジェネラル・ルクレール広場(Place du General Leclerc)からサンタユール広場(Place st-Ayoul)にかけてのコルドネリ通り(rue de la Cordonnerie)が新市街の中心になり、この辺りはお店も多く賑やかです。
裏通りにひっそりと佇むノートルダム・ドゥ・ヴァルの鐘楼
サンタユール広場の近くにあるノートルダム・ドゥ・ヴァルの鐘楼(la Cour Notre-Dame-du-Val)。革命により破壊された同名の教会と修道院の名残が、激動の時代を感じさせてくれます。この鐘楼がある通りは、平行して走るコルドネリ通りとは全く違い、静かでひっそりとしています。
一風変わった外観のサン・タユール教会(l’Eglise St.Ayoul)は、新市街の象徴的なモニュメント。教会前の広場は、プロヴァンで最初に市が開かれた場所でもあります。サン・タユール教会は特に門の彫刻が素晴らしく、こちらは現代彫刻家ジョルジュ・ジャンクロの作品だそう。
プロヴァンの駅からすぐの新市街にあるマレ通りは、家屋の前にデュルタン川が流れ、のどかな雰囲気を醸し出してます。この場所から西方向に位置する旧市街を見上げると、ちょうどサン・キリアス聖堂のドームが望めます。
プロヴァンの旅、いかがでしたか?パリからほんの数時間で行ける中世の町は、また違ったフランスの魅力を発見させてくれますよ。以上、パリナビでした。