国立自然史博物館

Muséum national d'Histoire naturelle

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パリ5区にある壮大な敷地の博物館。パリ植物園、動物園、温室もここに含まれる。中でも進化の大ギャラリーは博物館の中心的存在。

こんにちは、パリナビです。
5区にあるパリ植物園は、観光客はもとより地元の人たちも訪れる人気スポットですが、この植物園をはじめ、温室、動物園、そしていくつかの博物館(ギャラリー)からなる組織が、国立自然史博物館(Muséum national d’Histoire naturelle)です。もともとは17世紀にルイ13世が作った王立の薬用植物園を現在の位置に移動させ、研究機関として発足したもので、フランス革命時の1793年に一般に博物館として公開されるようになりました。とても歴史の古い博物館なのです。
その博物館の中でもおすすめのギャラリーについて今回はお話したいと思います。
オーステルリッツ駅側の入り口寄りにある「比較解剖学と古生物学のギャラリー」と、モスケ・ド・パリ側の入り口からすぐの「進化大ギャラリー」です。どちらも個性あふれる博物館です。では早速行ってみましょう。

※記事中では建物の階についてはフランス式表記で、地上階(日本の1階)、1階(日本の2階)というように記載しています。

骨好きにはたまらない(!?)ギャラリー

比較解剖学と古生物学のギャラリー

比較解剖学と古生物学のギャラリー

まずは「比較解剖学と古生物学のギャラリー(La galerie de Paléontologie et dAnatomie comparée)」から。オーステルリッツ駅を出てすぐ、博物館内の敷地に入ったところに、古めかしい建物が建っています。これが比較解剖学と古生物学のギャラリー(舌を噛みそうな名前ですが)。建物は1900年の万国博覧会のために建築されたもので、中へ入ってみると、自然光が差して明るく開放的な空間になっています。自然をヒントに施されたアールデコの彫刻など細部に渡って、建物自体がとても美しいです。
さて、チケット売り場からまっすぐ地上階へ入ると、いきなりこちらを向いてやってくる動物たちの骨、骨、骨…。地上階の「比較解剖学の階」は、脊髄動物の骨格標本が並んでいます。中央には大型の動物が、壁よりのガラスケースには、鳥や魚などの小さな標本や、液漬けの内臓などがずらり。綿密に組み立てられた標本たちは、動物が自然環境にどう適応してきたかを物語っています。動物は同じ仲間同士で並べて展示してあるので、比較しやすくなっています。とにかくその数と、今にも動き出しそうな標本に圧巻です。
大きなキリンや人間をはじめとするサルや類人猿のユニークな展示はなかなかの見ものですよ。
建物も見応えあり

建物も見応えあり

人間や猿の標本

人間や猿の標本

おなじみの動物たちの骨

おなじみの動物たちの骨

2階には恐竜の標本が

2階には恐竜の標本が

エレベーターはないので上の階へは階段で上がるしかありません。2階は古生物のギャラリー。子供たちの大好きな恐竜やマンモスが展示されています。こちらは化石に加え、レプリカで再現されたものもあります。ともあれ巨大なマンモスや恐竜の姿はまさに迫力満点です。
さらに3階へ。こちらは2階からの吹き抜けになっていて、恐竜たちを見下ろす形に。壁沿いの通路にはさらに昔に遡って貝などの海の化石が。上の階から順に進化をたどって行くようです。
吹き抜けの開放的な空間に恐竜や動物の骨がずらり。入館者には旅行者はもちろんですが、中にはデッサンをしている人もいました。ずっしりとした建物の雰囲気と、大きな窓からの自然光が、中の雰囲気も静かな佇まいにしているようです。
迫力満点!

迫力満点!

細かく展示されています

細かく展示されています

吹き抜けの館内

吹き抜けの館内

こちらは鯨

こちらは鯨

色んな動物の剥製に会えるギャラリー

さて、比較解剖学と古生物学のギャラリーを出て、植物園の並木道をまっすぐ進むと、大きな白い建物に突き当たります。これが、「進化の大ギャラリー(La Grande Galerie de lÉvolution)」。自然史博物館の中心的存在です。入り口はモスケ・ド・パリの丁度向かい側の入り口にあります。
先ほどの建物とは違って、今度は1991年に改装された博物館なのでとても近代的。
進化大ギャラリー

進化大ギャラリー

南極のコーナー

南極のコーナー

中へ入って見ると、まずは地上階、海の動物のコーナー。魚が群れになって泳ぐ様子や、ペンギンやオットセイなどの可愛らしい剥製が展示されています。このギャラリーも吹き抜けになっていて、壁沿いの通路も展示スペースになっています。またタッチパネルで研究できるコーナーが何箇所も設置してあり自由に使えます。学校の課外授業で訪れた子供達が床に座り込んで先生の話を聞いている様子も。子供だけかと思ったら、中学生や高校生らしい年代まで訪れていました。
上の階には絶滅危機の動物のコーナーや、鳥たち、蝶の展示などなど。全体の展示は7000種というから驚きです。吹き抜けの館内は6000㎡ということですが、空間がたっぷりあるので余計広く感じます。
ところで少し気になったのは、照明が暗いこと。剥製を保護するためなのでしょうか?慣れてくれば大丈夫ですが、最初はちょっと違和感があるかも知れません。
研究コーナーも

研究コーナーも

吹き抜けで広い館内

吹き抜けで広い館内

ありとあらゆる動物が展示されています ありとあらゆる動物が展示されています ありとあらゆる動物が展示されています

ありとあらゆる動物が展示されています

動物の大行進

動物の大行進

さて、ここでの目玉は、何と言っても剥製の動物たちの大行進です。2階へ上がると、キリンに象にサイにカバにライオンに…とにかくありとあらゆる動物たちが、同じ方向を向いて一斉に歩いているのです。きめ細かく再現された剥製たちは間近で見てもまるで生きているよう。動きにも工夫があり、ユーモアが感じられます。2階にはカフェスペースがあり、休憩もできますよ。ここからは真正面から動物たちの行進が見えます。

この進化の大ギャラリーはエレベーターも複数あり、上下の移動は楽です。階と階の途中には鳥のの剥製がこちらを向いて飛んでいたり、象の剥製が見送ってくれたりと、ユーモアに満ちています。
出口横にある売店も覗いてみてください。動物に関する色んな本があり、子供向けの本やおもちゃ、ぬいぐるみもあります。
まるで生きているよう!

まるで生きているよう!

象がお見送り

象がお見送り

売店もチェックしましょう

売店もチェックしましょう



自然史博物館自体が壮大な敷地なので、植物園や今回ご紹介したギャラリーなどをゆっくり見て回ると半日は過ぎてしまいそうです。ちなみに、学校が午前で終わる水曜日や土日は子供連れで込み合うので、それ以外の日に行った方が落ちついて見学できます。
子供連れでパリ旅行する人はもちろん、大人でも充分に見応えがあり、楽しめるスポットですよ。
以上、パリナビでした。


記事登録日:2014-02-13

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スポット登録日:2014-02-13