
写真1 ベルサイユ宮殿へはRERが早くて安くて便利です。私が乗ったのは2階建て電車でした。【その他】 写真登録日:2012-05-16

写真2 太陽王ルイ14世の銅像が訪問者を出迎えてくれます。ここからいよいよベルサイユ宮殿です。【外観】 写真登録日:2012-05-16

写真3 宮殿入り口の門からしてすでに金ぴか状態。【外観】 写真登録日:2012-05-16

写真4 有名な鏡の間。【施設内】 写真登録日:2012-05-16

写真5 ベルサイユ宮殿でもらったパンフレットのスキャン画像。【その他】 写真登録日:2012-05-16

写真6 ベルサイユ宮殿とグラントリアン、プチトリアン、マリーアントワネットの農場を結ぶプチトランという乗り物。乗り心地最悪。【施設内】 写真登録日:2012-05-16

写真7 ベルサイユ宮殿の噴水から庭を見下ろすと、池の端が遠くかすんで見える。【風景・自然】 写真登録日:2012-05-16

写真8 ミュージアムパス4日間とカルネ(10枚綴りの回数券左)と1-2のゾーン1日券(モビリス右)【その他】 写真登録日:2012-05-16
フランスの偉大な政治家にして作家のシャトーブリアンは、「ヴェルサイユを見たことがない者は栄華というものを本当には知らない」という言葉を残しています。そうまで言われたら行かねばなりません。
ヴェルサイユに行くには、RERのC5線に乗って(北駅から途中ノートルダム寺院のあるSaint-Michel-Notre-Dameで乗り換えて40分程度かかりました)終点のVersailles Rive Gauche(ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ)まで行き、そこから歩いて10分ほどです。
パリの地下鉄は乗り換え等がわかりやすく、助かったのですが、高速郊外線RERは、乗る際にかなり戸惑いました。まず、列車の行き先を教えてくれる方向幕に目的地が書いて無く、訳の分からない四文字の略称だけが記されているため、本当にこれに乗っていいのか判らず、困惑しました。ホームにある時刻表を見れば、だいたいこの列車でいいかどうかは判断できるのですが、遠い異国の地故、不安は隠しきれませんでした。
RERは広軌の電車で、ヴェルサイユに行くC線は日本の新幹線同様車両幅が広く、メトロと違い、揺れもほとんどなく、乗り心地が良く実に快適でした。パリの地下鉄は入口で切符を改札に通しますが、出口で切符を回収されることはありません。それに対して、RERは入口で切符を通して、出口でも通さないと出ることができませんので注意が必要です。ところが、ヴェルサイユ行きの列車では、出口で切符を通さなくても良かったので、逆に戸惑いました。さらにヴェルサイユからの帰りの改札でも切符を改札機に通さなくても良かったので、多くの外国人乗客が戸惑っていました。
また、RERはメトロと違いゾーン制の料金体系(ベルサイユまではパリから1-4ゾーンの切符が必要となります。写真8の1-2ゾーンモビリスで行けません)ですので、地下鉄から乗り換える時に、RERでパリ市外に出てしまうと、改札から外に出ることができなくなってしまいます。フランスでは乗り越し運賃という概念がないので、係員に見つかると法外な罰金を支払うことになってしまいます。ご注意ください。乗車中に検札係が集団で切符を見せろとやってきますので、その際に外国人であろうが、知らなかったとか言う言い訳は一切通じません。高額な罰金が課せられます。今回の旅で一度だけそのような光景を目にしました。
駅を出て、人の波が右側に進んでいるのでそれに従い、素直に進むと、大通りに出ます。すると左側にヴェルサイユ宮殿の建物が見えてきます。そのまま進んでいくとヴェルサイユ宮殿の入口です。太陽王ルイ14世の銅像が来訪者を暖かく?迎えてくれます。(写真2)
入口からして金ぴか、豪華絢爛です。(写真3)
ルイ14世は莫大な建造費をかけてこの宮殿を、敢えてパリから離れた僻地に建設しました。貴族達をパリ郊外のこの地に集めることで、常に自分の監督下に置き、地方の領地から切り離すことで、その力を削ぐのが目的であったと言われています。当時は今のパリ市と同じ敷地面積を誇ったと言われていますが、今では狭くなってしまいました。そうはいうものの、遠くかすむまで広がる敷地の広さに圧倒されます。全体像は宮殿案内図(写真5 パンフレットをスキャン)を参照してください。宮殿、広大な池と庭、大トリアン、小トリアン、マリー・アントワネットの農場から成り立っています。
さて、入口でX線検査があり、水のペットボトルを入れていたので、クロークに預けるように言われてしまいました。本当に徹底しています。しかし、私の隣を手荷物無しでミネラルウォーターのペットボトルを手にした女性がそのまま素通りしていたのを目にすると、納得できない気がしました。ここもミュージアムパス(写真8)が使用可能で、これで完全に元を取ることができました。ミュージアムパスは本当にお勧めです。
宮殿内では通常の自由に見学するツァーのほかに、解説付のスペシャルツァーがあり、そちらに参加すると、一般の参加者が見ることができないような場所を見ることができるようです。
宮殿内は言葉を失うぐらい豪華絢爛金ぴかの世界です。天井は一面豪華なフレスコ画で装飾され、壁には美術館にあるような素晴らしい油絵が懸けられています。宮殿全体が美術品なのです。中でも圧巻なのが、有名な「鏡の間」(写真4)で、王に謁見する人は必ずここを通って謁見室へ向かったと言いますから、この部屋を通るだけで、ブルボン王朝の富と権力を思い知らされたでしょうし、またそう感じさせるために造られた部屋だとも言うことができると思います。鏡の間を抜けると、謁見室、王妃の寝室、王の寝室など、かつて庶民が立ち入ることができなかった場所も、今では見学することができます。鏡の間に来たら、庭を覗いてみてください。ここから見る庭も格別です。(写真7)
せっかくはるばるヴェルサイユまできたのですから、気合いを入れて広大な庭やグラントリアン、プチトリアン、マリー・アントワネットの農場なども見学しましょう。農場まで歩くと、往復優に2時間はかかりますので、プチトラン(遊園地などでよく見かける移動用の乗り物……写真6)に乗って移動することをお勧めします。ただ、園内の道はほとんど石畳なので乗り心地は非常に悪く、各所に設置してある排水用の段差を越える時など、腰を浮かせていないと衝撃がもろに伝わってきて、歩き疲れた体にはかなりのダメージがあります。しかも6.5ユーロ(2010年時)はちょっと高すぎだと感じられます。それでもヴェルサイユ宮殿内をさんざん歩き疲れた後には、たいへんありがたい存在に感じました。
グラントリアン、プチトリアンは、ヴェルサイユ宮殿の生活に飽きた歴代の王や王妃達の手によって増築された部分です。特にプチトリアンの農場は有名で、田舎暮らしに憧れたマリー・アントワネットが、自分と子ども達のために田舎の農場を再現したものです。金持ちの考えることはよく判りません。庶民がパンをよこせと押しかけた時に、「パンがなかったらケーキを食べればよいのに」とおっしゃったお方ですから。
乗り心地の悪いプチトランに乗って宮殿に戻ってくると、広大という一言で片付けることができないほど桁外れに広い庭(写真7)が待っています。遙か彼方がかすんで見えます。ヴェルサイユ宮殿を建造する際に、宮殿本体よりも庭の造園に遥かに人手とお金がかかったという話を聞いたことがありますが、この庭を眺めていると、輝かしいフランスの栄光の歴史を実感できます。
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