パリで一番高い丘。ここからパリを一望できます!
こんにちは、パリナビです。パリの中で最も高い場所にあるモンマルトルの丘。シンボルであるサクレ・クール寺院はパリのあちこちから見ることができ、パリのランドマーク的存在になっています。モンマルトルには色々な見どころもあり、いつも旅行客が絶えない観光の必須スポットといってもいいでしょう。また、古きよきパリの雰囲気が残っているところもモンマルトルの魅力です。今回はそんな人気エリア、モンマルトルを改めてご紹介したいと思います。
パリで最も高い丘
ブドウ畑と風車の村
ムーラン・ド・ラ・ギャレット
昔はモンマルトルはパリの外にあり、「殉教者の丘」と呼ばれていました。ローマ時代には、この丘は戦いの神に捧げられた寺院のあった場所でした。さらに、有名な聖人であるサン・ドニが首をはねられたのがこのあたりと伝えられており、サン・ドニが自分の首を抱えたまま歩き、さらに北部の現在のサン・ドニ大聖堂のある場所で息絶えたという伝説はよく知られています。
モンマルトルは1790年にセーヌ県の一部となり、その後1860年のパリ市再編の際にパリ市の行政区として(一部はサン・トゥアンに統合)18区の一部分となりました。
それまでモンマルトルは、ブドウ畑と風車の農業地帯でした。丘には修道院があったこともあり、修道女たちによってワインも造られていました。
サクレ・クール寺院
白亜の寺院
モンマルトルといえばサクレ・クール寺院。1919年に一般に開放されてから、毎日沢山の人々を迎え入れています。真っ白なドーム型寺院はパリでも異色な存在です。遠くからでも絵になりますが、近くで見るとさらに迫力が増します。寺院の中は、周りの喧騒が嘘のように静かで厳かな雰囲気。寺院の前の広場はパリの景色が一望できるスポットです。
ドームの中に入って上の展望台へ昇ることもできます。ここからの景色はまた格別ですよ。
画家の愛する町
ピカソやモディリアーニがアトリエにした「洗濯船」
19世紀から20世紀初頭にかけて、モンマルトルは画家たちがこぞって集まって来た芸術の町でした。その当時はモンマルトルにはまだ田舎の風情が残っていたため、その景色を求める画家たちがやってきたのです。彼らは、洗濯船(Bateau-Lavoir)と呼ばれる安いアパートに入ってアトリエを構え、制作に励みました。画家の例を挙げると、ピサロ、ロートレック、スタンレン、ヴァン・ゴッホ、モディリアーニ、ピカソ・・・。
パリ土産のモチーフとして常に人気の「シャ・ノワール(Le Chat Noir)」は、スタンレンの作で、画家たちが頻繁に出入りしていたキャバレー「ル・シャ・ノワール」のポスターです。ポスターと言えばロートレックもしかり。「ムーラン・ルージュ」や、ル・シャ・ノワールのオーナー、アルティスチッド・ブリュアンを描いたポスターも、パリ中のお土産物屋さんで見かけるモチーフです。
20世紀の初頭にはアーティストの町として栄えたモンマルトルですが、次第に物価が上がり、街の様子が変わってきたため、画家たちは左岸のモンパルナスの方へ移って行きます。
とはいえ、未だに画家の町であることには変わりなく、サクレ・クールのそばにあるテルトル広場には沢山のアーティストが自分の絵画を並べています。モンマルトル界隈でも最も観光客で賑わうエリアのひとつです。
坂道のまち
モンマルトルは階段も多い
標高130メートルと、パリで最も高い位置にあるモンマルトルの丘。そのため坂道の町とでも呼びたくなるほど、いたるところ坂道です。地図上で見ると分かりにくいのですが、階段の道も多いです。傾斜が急なところは坂道の途中から階段になっている通りもあります。大きな荷物やかかとの高い靴では正直歩きにくいかも知れません。散策の際にはなるべく身軽にして行きましょう。
歩くのが辛い人には、モンマルトルバスがあります。これはモンマルトル界隈だけを巡回するミニバスです。主要観光地も回るので便利ですよ。サクレ・クール寺院に昇る丘も、階段の横にフニクレールというケーブルカーがあり、メトロと同じ切符で乗ることができます。
よくポストカードにもなっているモンマルトルの坂道。階段を昇ったところで見下ろす光景はどこもとても絵になります。
モンマルトル墓地
著名人の眠る墓地
モンパルナス墓地、ペール・ラシェーズに並んでパリでも広大な墓地のひとつ、モンマルトル墓地。他の墓地と同じように、著名人の眠る場所として有名です。お目当てのお墓を訪れる人も少なくありません。ここに眠る主な著名人では、スタンダール、アドルフ・サックス、ギュスターヴ・モロー、ニジンスキー、エドガー・ドガ、モーリス・ユトリロ、フランソワ・トリュフォーなどなど。
パリの墓地は、日本のものとは雰囲気が違って、散策にも向いています。昔からある墓標や工夫を凝らしたものなど、様々なかたちのものがあり、きっと興味深いと思いますよ。緑も多く、静かにのんびりと散歩をするにはいいスポットです。
パリの中心部の華やかな雰囲気とはまた違って、パリの下町の部分も見せてくれるモンマルトル。毎日観光客が絶えないのはきっとその飾らない魅力からでしょう。
特にサクレ・クール寺院の裏手やアベス駅周辺は、小さい通りが網の目のように交差し、迷子になりそうな感覚になります。どこを切り取ってもチャーミングな風景が見つかるので、散策も楽しいですよ。
ただ、夜は治安があまり良くないエリアも近くにあるのと、観光客の多い分、お土産の押し売りも増えるので、そこだけ気をつけて楽しんでください。
以上、パリナビでした。