外出制限緩和後のパリ特集

5月現在のパリの様子です。

こんにちは、パリナビです。5月11日から外出制限が緩和されたパリ。天気に恵まれていることもあって、初めての週末にはたくさんの人が街に繰り出しました。ですが、まだレッドゾーンの中にいるパリは第二波の懸念もあり、完全にもとの状態に戻るのは時間がかかりそうです。それでは、制限緩和後のパリの様子や、これからの展望をまとめてみましょう。
緩和後のリヴォリ通り

緩和後のリヴォリ通り

カフェやレストラン以外のお店が再オープン

BHVは営業再開

BHVは営業再開

スポーツ用品店の前には行列が。

スポーツ用品店の前には行列が。

外出制限中はスーパーなどの食料品店や、新聞・雑誌などを販売するタバコ屋、ガソリンスタンドなどを除く店舗が全て閉鎖されていましたが、緩和に伴って色んなお店が営業を再開しました。これでかなり街の中に活気が戻ったように感じます。しかし入店にはまだ人数制限があるため、人気の服飾店などの前には行列ができています。
また、デパートやショッピングセンターの中にも営業を再開しているところがあります。なかには日常生活の必需品の店舗のみオープンなど、ショッピングセンターによって営業形態も違います。
また、美容院も営業を再開しました。特に至近距離での接客となるため、美容師さんがプラスチックのフェイスカバーをつけているところもあります。2か月に及んだ外出制限で美容院や床屋さんの再開を待ち望んでいた人たちは、さっそく髪を切ってすっきりした様子です。
パリジャンの生活には欠かせない存在のマルシェは衛生面の問題から閉鎖されていました。こちらも5月下旬から少しずつオープンされる予定です。社会的距離や衛生面に気を配りながらの営業ですが、マルシェの再開は生産者にも消費者にも明るいニュースとなりそうです。
入店時はマスク着用で

入店時はマスク着用で

やはり1m間隔で並びます

やはり1m間隔で並びます

いつもは観光客で賑わうサン・ミシェル界隈のユシェット通り

いつもは観光客で賑わうサン・ミシェル界隈のユシェット通り

こういったお店とは対照的に、まだ通常の営業が許可されていないのが、カフェやレストランと言った飲食業。こちらは6月上旬を目安に営業再開が期待されていますが、この場合もテーブル数を減らしたり、テラス席も間隔を空けるなど、沢山の配慮が必要となります。制限緩和後、料理や飲み物のテイクアウトのみで販売を始めたお店も見かけます。また、ファストフード店もテイクアウトや宅配での営業を再開しました。
いずれにせよ、収入面でも飲食店に関してはこれからまだ厳しい状態が続くと予想されます。パリのカフェならではの所狭しと並んだテラス席は、当分見かけることはなさそうですね。
こちらはまだ閉鎖中です こちらはまだ閉鎖中です

こちらはまだ閉鎖中です

テイクアウト可能なお店もあります テイクアウト可能なお店もあります テイクアウト可能なお店もあります

テイクアウト可能なお店もあります

メトロはマスク着用を義務化

メトロの車内

メトロの車内

マスク着用の貼り紙

マスク着用の貼り紙

さて、交通面ですが、メトロやバスも混雑を防ぐ対策をとっています。まず、利用の際はマスクの着用が義務となっています。マスクをつけずに乗ると135ユーロの罰金というなかなか厳しい処置。メトロ構内にも衛生管理についての注意喚起が貼ってあります。
車両の中にはいたるとことに「社会的距離」を取ることをうながすシールが貼ってあります。4人掛けのシートは、はす向かいに2人だけ、3人掛けのベンチ型シートでも、1人あるいは2人とシールによって座席が間引きされています。折り畳み型のシートは利用禁止です。
また、立つ場所もポイントが定められており、1m以上の間隔を空けるように促されています。ナビは解除後の週末に久しぶりにメトロを利用しましたが、どの路線も利用する人自体が非常に少ないように感じました。

国全体では引き続きテレワークを推奨していますが、職種によっては公共交通機関を利用せざるを得ない人たちもいます。RATPでは、平日の朝と夕方は、勤務先から発行された公的な証明書を持つ人以外の利用を禁止しています。
公共交通機関も元の状態に戻るのは時間がかかりそうです。
土曜日のサン・ミシェル駅

土曜日のサン・ミシェル駅

普段は利用者の多い4号線ですが、週末でもこのような感じです

普段は利用者の多い4号線ですが、週末でもこのような感じです

自転車の利用を推奨

パリの街を自転車で駆けよう!

パリの街を自転車で駆けよう!

リヴォリ通りは自転車通行に

リヴォリ通りは自転車通行に

制限緩和後、リヴォリ通りは車両通行止めとなりました。これは公共交通機関を避けるために車の利用が多くなることを見越しての対策です。その代わりに臨時の自転車専用レーンを設け、パリ市内でも自転車の利用を推奨しています。郊外から市内への直結ルートも大幅に拡大し、大気汚染対策と電車などのラッシュ対策を同時に行うという方針です。
このためか、緩和後は自転車の利用者が非常に増えています。マイ自転車を持っている人には修理代などに50ユーロの補助が与えられています。また、市営の貸自転車ヴェリブの利用も多く、駐輪場もスペースを広げています。交通手段は使いやすさが一番なので、便利になるほど利用者数も増えるのではないでしょうか。
市営の貸自転車ヴェリブの駐輪場

市営の貸自転車ヴェリブの駐輪場

運動にも最適です

運動にも最適です

今後のオープンが待たれる施設

映画館は夏までは営業が待たれそうです

映画館は夏までは営業が待たれそうです

セーヌ河岸を取り締まる警察

セーヌ河岸を取り締まる警察

映画館、美術館、コンサートホールなどは、残念ながら営業再開が一番遅くなる分野です。パリの美術館に関しては、6月中旬から7月を目途に再開が検討されていますが、まだ確定には至っていません。緩和後に小規模の美術館の再開が認められてオープンした美術館が再度の閉鎖をしたりと、状況が安定するまでにはまだ様子見の段階と言えるでしょう。
映画館、コンサートホールやクラブなどは少なくとも7月中旬までは閉鎖です。

市民の憩いの場である公園も現在閉鎖中。パリジャンにとってはこれが何より淋しいのではないでしょうか。5月に入ってお天気にも恵まれ、立ち入りのできる芝生に座ったり、セーヌ河岸のベンチに腰をかけてくつろぐ人たちの姿も沢山見られました。中には警察からの注意を受ける人たちも。外出が許されてつい気が緩みそうになりますが、市民の民度が試されるところでもあります。公園のオープンはパリ市民がいかにモラルを守れるかにも焦点が置かれそうです。
憩いの場が必要です! 憩いの場が必要です! 憩いの場が必要です!

憩いの場が必要です!


規制緩和後まだしばらくは緊張が続くと思われますが、すぐに気が緩んでしまうのがフランス人の欠点でもあります。あくまでもまだレッドゾーンにあることを忘れずに、少しずつ元の生活へと戻ることでストレスも緩和されていくといいですね。
パリの街の様子はほっとパリなどでもお伝えしていきたいと思います。
以上、パリナビでした。











上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-05-27

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