現在のパリとフランス・コロナ対策

2020年10月現在のパリとフランスのコロナ対策をお伝えします。

こんにちは、パリナビです。フランスを含め、ヨーロッパではコロナウィルスの第二波が訪れています。検査数が増えたことで陽性と判断された人が多くなったこともありますが、発症、入院したひとの数も増えていて、医療施設の受け入れも難しくなってきています。また、それに伴って医療関係者にしわ寄せがきて、従事者の疲労が隠せないのが現状です。
フランスでは現在、部分的外出制限などの措置が取られています。今回は現在のパリやフランスのコロナ状況をお伝えしていきたいと思います。
フランスではコロナの第ニ波が広がっています

フランスではコロナの第ニ波が広がっています

サン・ミシェル界隈。いつもは沢山の旅行者で賑わっていますが、今はとても静かです。

サン・ミシェル界隈。いつもは沢山の旅行者で賑わっていますが、今はとても静かです。

ロックダウンで一旦は落ち着いたかに見えたコロナ渦も、バカンス期間中にまた少しずつ勢力を戻し、状況は悪化の一途を辿っていました。そのため、10月上旬から再度、地域ごとにコロナの危険度をレベルに応じて色分けし、そのレベルに合わせた対策が取られてきました。一番危険度レベルの高かったプロヴァンス・マルセイユでは、二週間にわたる飲食店の閉鎖が命じられ、経営者の抗議のデモが行われたりもしました。
まもなくパリを含むイル・ド・フランス圏もこの最大警戒ゾーンに含まれ、レストランの封鎖こそなかったものの、22時以降のバーの営業が禁止になるなどの措置が取られていました。

10月14日、ついにマクロン大統領自らがテレビ番組のインタビューという形で、国民に向けて非常事態宣言を行いました。現在取られている措置は、その発表に基づいて、各大臣により具体的な内容が示されたものになります。
では、その内容を大まかに分けて見てみましょう。
小学校の前。1m間隔で線が引かれています。

小学校の前。1m間隔で線が引かれています。

11歳未満の子供はマスクの着用義務は無し。

11歳未満の子供はマスクの着用義務は無し。

パリを含む9つの都市で外出制限措置

モンマルトルのカフェ。週末の昼間はテラス席にも人が集まります。

モンマルトルのカフェ。週末の昼間はテラス席にも人が集まります。

10月17日より、イル・ド・フランス圏、グルノーブル、リール、リヨン、エクス=マルセイユ、モンペリエ、ルーアン、サン=テティエンヌ、トゥールーズの9つの都市圏では、夜間外出禁止令が出されています。これは、21時から翌朝6時までの不要不急の外出を禁じるというものです。
これにより、カフェやレストランなどは21時で閉店、映画館や劇場なども21時には閉まるということになります。この措置に対しては、飲食店経営者からは抗議の声も上がっています。

もちろんこれには例外があり、保健医療関係(通院、薬の購入等)、仕事、21時以降の列車やフライトを予約している場合、介護、ペットの散歩(自宅から1km以内に限る)は免除されます。これには政府発行の証明書を携帯することが義務付けられています。また、仕事関係では職場からの証明書が必要となります。
違反した場合には135ユーロの罰金が科されます。二度目では200ユーロ、四度目からは3,750ユーロの罰金及び6か月以下の禁固という内容です。
カフェやレストランは21時で閉店。バーは営業禁止です。 カフェやレストランは21時で閉店。バーは営業禁止です。

カフェやレストランは21時で閉店。バーは営業禁止です。

6人ルールの実施

映画館では一席おきに座ります

映画館では一席おきに座ります

マクロン大統領はインタビューの中で、「6人ルール」についても言及しました。それは、自宅や公共の場を問わず、同じ空間に6人以上が集まることを避けるという意味です。
具体的には、
・レストランなどでの6人以上の相席は禁止。
・パーティや結婚披露宴などの大人数が集まるイベントは禁止。
・バーの閉鎖をこれまで通り続行する。
・映画館などでは一席ずつ空ける。
・大学などの高等教育機関では、教室は定員の50%以下になるようにする。

これは先の9つの都市以外でも適用されます。レストランだけでなく、個人の家庭でも6人ルールを守るよう呼びかけられています。10月下旬から11月上旬はちょうど諸聖人の日のバカンス(秋休み)でもあるため、親戚が集まる可能性も懸念しての提言です。
ちなみに国内での移動は禁止されていません。
屋外、屋内を問わず、人同士が密になるのは避けたいところ 屋外、屋内を問わず、人同士が密になるのは避けたいところ

屋外、屋内を問わず、人同士が密になるのは避けたいところ

今のパリの様子

ルーヴル美術館は静かです!

ルーヴル美術館は静かです!

テルトル広場の様子

テルトル広場の様子

では、実際パリがどんな様子かをナビ目線でお伝えしてみたいと思います。
やっぱり旅行者のいないパリは人が少ない!というのが正直な感想です。ただ、ロックダウン解除の直後のような静けさはなく、エッフェル塔近辺やシャン・ド・マルス公園、またサクレ・クール寺院やモンマルトル界隈辺りでは、お天気の週末には人出があります。ただ、観光となると見学者は激減しているようで、普段は行列のできたモニュメントもガラガラという状態が続いています。パリの観光業界は打撃が大きいようです。

以前のメトロ。今は座席のシールは撤去されています。

以前のメトロ。今は座席のシールは撤去されています。

メトロの利用者も一時期に比べると格段に増えてきています。これは、夏から秋に自転車通勤をしていた人が、気温の下降や雨続きのお天気などのせいで電車利用に切り替えたことも原因と考えられます。メトロの中は以前のような一席ずつあけるというルールはなく、座席に貼ってあったシールも撤去されています。混雑する時間に席を空けることはどうしても難しいですね。ただ、マスク着用の義務は徹底的に守られています。また、バス停には除菌ジェルが設置されていたり、メトロは終点になるとすぐに清掃員が車内を除菌しています。交通公団としても、メトロのクラスターは避けたいところですね。
それぞれの施設が対策を取っています。 それぞれの施設が対策を取っています。

それぞれの施設が対策を取っています。

モニュメントも見学者が減少しています モニュメントも見学者が減少しています

モニュメントも見学者が減少しています


大人数での集会が禁止されているパリでは、季節ごとのイベントにも中止などの影響が出ています。また、アルコール販売は特に規制が厳しく、バーの経営者の中には先を危惧する声も大きいです。夜に営業するお店、クラブやコンサート会場もまだまださきの見通しが立たない状態です。
この措置はとりあえず4週間、そして議会の承認があれば6週間まで延期ということが先に決められています。入院患者や感染者数によって左右されるため、これという見解が出せないのも現実のようです。
パリでは寒さも増し、冬へと向かっていますが、インフルエンザなどコロナ以外の病気にも気をつけなければならず、普段の手洗いやマスク着用など、パリジャン一人一人の心掛けが大きく作用します。
一日も早く収束に向かって欲しいところですね。
以上、パリナビでした。





上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-10-21

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