ロワール地方のワインカーヴを訪ねて

みなさんは、ワインカーヴを訪ねてみたことはありますか? いろいろテイスティングできるので、自分が美味しいと思うワインに出会えますよ!

こんにちは。パリナビです。フランスと聞いて、みなさんはいろいろ思い浮かべるかもしれませんが、そのうちの一つに「ワイン」が出てくるのではないでしょうか。そう、フランスといえばワイン! 今回、ロワール地方にあるワインカーヴを訪れてみました。

ロワール地方のワインについて

まず、ロワール地方のワインについて簡単に説明しておきましょう。この地方では、赤・白・ロゼワイン、スパークリングワイン、貴腐ワインなどいろいろ生産されています。また、ビオワイン(オーガニックワイン)もたくさん生産されているので「自然派の聖地」と呼ばれることも。

この地方で栽培されている主なブドウ品種は、以下の5つ。
Chenin Blanc(シュナン・ブラン)
主にロワール地方で栽培されている白ワイン用のブドウ品種。甘口から辛口の白ワイン、スパークリングワインなどに使用されます。

Cabernet Franc(カベルネ・フラン)
黒ブドウ品種。ロワール地方以外では、主にブレンド用として栽培されます。

Pinot Noir(ピノ・ノワール)
この品種は、世界中で比較的寒冷な地域で栽培されます。ブルゴーニュ地方では、ロマネ・コンティなどの高価なワインの原料になったり、シャンパンやスパークリングワインの主原料になったりします。

Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)
白ワイン用のブドウ品種。シャルドネに次ぐ国際品種です!

Muscadet(ミュスカデ)
もともとブルゴーニュ地方のブドウ品種、Melon de Bourgogne(ムロン・ド・ブルゴーニュ)をこの地方に移植し、改名したもの。他の地域にはないブドウ品種で、特殊な製法によって辛口のすっきりした白ワインが産出されます。

いざ、ワインカーヴへ!

さあ、それではいざワインカーヴへ訪れましょう! 行きたいカーヴがあったら、見学に予約が必要かどうか問い合わせてから行った方が良いでしょう。ナビが行ったカーヴは「Cave des Producteur」という、結構大きいところでしたが、予約の必要はありませんでした。見学ツアーはフランス語か英語か選べます。ちなみにこのカーヴがあるVouvray(ヴーヴレ)という地区は、際立ったシュナン・ブランの産地として有名です。
カーヴへの道を示す看板

カーヴへの道を示す看板

たくさんのカーヴがあります!

たくさんのカーヴがあります!

白くてキレイな建物。ここが今から訪ねるカーヴです!

白くてキレイな建物。ここが今から訪ねるカーヴです!

ここの蔵では、méthode traditionnelle (メトード・トラディッショネル方式)でスパークリングワインを作っているそう。この方式は、「シャンパーニュ方式」とも呼ばれている、最も手のかかる伝統的な醸造法。

一次発酵させたワインを瓶につめる

新たに糖分と酵母を加える

瓶内でさらに発酵が起こる(二次発酵)ので、アルコールと炭酸ガスが発生

その炭酸ガスがワインに溶け込み、スパークリングワイン特有の成分になる

という醸造法です。
この方式では、remuage(ルミアージュ/動瓶)という作業があります。

逆さに置いたボトルを揺らしながら、1/8回転させる

こうすることによって、二次発酵させたときに生じた「澱(おり)」がボトルの口に集まる

集まった澱を取り除き、味を整える

という作業。昔は全部、職人さんが手作業でしていたそうですが、現在では「ジャイロ・パレット」という機械で行っている所が多いです。ここの蔵では、通常サイズのボトルは「ジャイロ・パレット」でルミアージュしているそうですが、マグナムボトル(一般の750mlのボトルの倍の量である、1500mlの容量が入る大きいボトル)だけは現在でも手でルミアージュしているそうです。
これがお酒の神様、Bacchus(バッカス)です!

これがお酒の神様、Bacchus(バッカス)です!

いよいよ試飲!

さて、お待ちかね。いよいよ試飲の時間です! カウンターの中にいるお姉さん(カーヴの見学ツアーでガイドをしてくれた人でもあります)に、飲みたいワインを言えば、試飲させてもらえます。
シュナン・ブランから造られるワイン、Demi-Sec(ドゥミ・セック)や、Moelleux(モワルー)を試飲。良いブドウが出来た時にしか造らない甘口の白ワイン、モワルーは、甘口といってもデザートワインほど甘くはありません。ワインが若いうちは果実の完熟の甘み、貴腐香、ヴーヴレーのミネラルなどを感じさせますが、熟成していくと様々な要素が重なり、とろんとしたハチミツや紅茶の風味に変化していきます。長期の熟成に耐えるものも多いです。今回飲んだものは、個人的な意見ですが、fruité(フリュイテ/果実の完熟の甘み)、fleurs blanches(フルール・ブランシュ/白い花のブーケ香)が少し上品すぎるというか、弱い印象でした。ですが、こんなお手頃価格でコレが味わえるなら・・・と、2本お買い上げ♪
ワイングラスも売っていました

ワイングラスも売っていました

試飲し過ぎて酔っぱらわないように注意!

試飲し過ぎて酔っぱらわないように注意!

入り口に近い部屋で、ワインが製造される工程がビデオで流れていました。
また、ワインが製造されるときに昔使われていた道具なども、陳列されていました。

いかがでしたか? 「ワイン大好き!」という人はもちろん、あまりワインに詳しくない人も、一度くらいカーヴを訪れても面白いでしょう。ワインに対する造り手の愛情が感じられます。以上、パリナビでした!

☆今回ナビが訪れたカーヴ

Cave des Producteurs de Vouvray
住所:38, “La Vallée Coquette” - 37210 Vouvray
電話:02 47 52 75 03

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-10-29

ページTOPへ▲

その他の記事を見る