マクロン大統領の演説(7月12日)

一部の職業においてワクチンの接種が義務化されます

マクロン大統領は7月12日夜の演説で、現在のフランスにおけるコロナウィルス対策の状況と、ワクチンの接種について言及しました。以下、日本大使館のメールより抜粋。

(1)医療従事者の貢献や国民の公民精神により、感染症の状況をコントロールし、生活を取り戻すことができている。1日の感染者数が最大3万5千人であったのに対し、この数週間では2000人以下に抑えられており、入院者数も死亡者数もこの一年で最も少ない数値である。また、2020年3月以降、学校閉鎖期間は合計で12週間に抑えられている。2021年の経済成長率は6%が見込まれている。これまで保護と自由のバランスを追求してきたことは正しかった。
(2)しかし、海外領土を含む仏全土において、感染が再び拡大している。デルタ株は従来株の3倍の感染力を有しており、今何か措置を講じなければ、8月以降に入院患者数が再び増加することになる。そのため、今夏を「ワクチン接種のための動員の夏」にしなければならない。

1 一部の業種に対するワクチン接種の義務化
(1)介護者か非介護者であるかにかかわらず、病院、クリニック、高齢者施設、障害者施設で働く全職員、また、施設や家庭内で高齢者や脆弱な者と接触する専門職及びボランティアに9月15日までにワクチンを接種することを義務付ける。
(2)9月15日以降に確認がなされ、該当者でワクチン未接種の者には制裁がなされる。

2 その他の国民のワクチン接種
(1)その他の国民にワクチン接種を義務化することはしないが、ワクチンをすぐに接種するよう推奨する。60歳以上の者や脆弱な者は最もリスクが高いため、特に推奨する。
(2)新学期から、中学生、高校生、大学生ために、学校施設においてワクチンキャンペーンが実施される。
(3)1月や2月にワクチン接種をした者の抗体や免疫が低下するため、9月初旬からこれまでと同じシステム及び条件下で新たにワクチンが接種できるようキャンペーンを実施する。
(4)ワクチン接種が増加しても、用心し、感染予防対策を継続するよう呼びかける。

3 緊急事態宣言等
(1)13日の閣議において、マルティニーク及びレユニオンにおいて緊急事態宣言がなされ、夜間外出禁止令が発出される。
(2)仏本土においては、感染の拡大(発生率200人/10万人超、入院増加)により各県が個別に判断する場合を除いては実施されず、よりシンプルな措置がとられる。つまり、全員に制限を課すのではなく、ワクチン未接種の者に制限を課すことである。

4 水際措置の強化
 今週から、感染リスクの高い国からの渡航者に対する水際措置が更に強化され、ワクチン未接種の者に対しては隔離が義務化される。(※国名は発表されず)

5 衛生パスポート(pass sanitaire)の適用範囲拡大
(1)7月21日以降、50名以上が集まる娯楽及び文化施設で、12歳以上の者に対し、ワクチン接種証明か陰性証明の提示が求められる。
(2)関連法案が採択され次第、つまり8月上旬以降に、カフェ、レストラン、大型商業施設、病院、高齢者施設、医療社会施設や、長距離移動の航空機、列車、バスにおいて、顧客・利用者・職員にかかわらず、ワクチン接種証明か陰性証明の提示が求められる。
(3)感染状況次第では更に適用範囲を拡大する可能性も排除されない。

6 PCR検査の有料化
 秋以降に、処方箋なしでのPCR検査を有料化する。これは、複数回の検査の推奨よりもワクチン接種を推奨するためである。


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2021-07-14

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