ストリートアートのパイオニア!ジェフ・アエロソルの世界

世界のストリートアートをけん引するジェフ・アエロソル。活動40周年のエクスポでアーティストの作品に迫ります!

赤い矢印がトレードマーク!

赤い矢印がトレードマーク!

こんにちは、パリナビです。今回はみなさんをストリートアートの世界へご案内します!ストリートアートとは、建物や道に描かれた壁画のことです。パリにはあちこちにストリートアートのスポットがあり、高いマンションの壁いっぱいに描かれた巨大なものから、石階段の隅に描かれた小さなものまで、色んな作品を街中で見ることができます。今ではすっかりパリの風景の一部になっているストリートアートですが、一体どんな人が描いているのでしょう?たくさんのアーティストが活躍していますが、その中でもストリートアートの先駆者と言われるのがジェフ・アエロソル。65歳の今も現役で活動中なんですよ。今回はジェフ・アエロソルの活動40周年を記念して開かれたエクスポに行って来ました!

ストリートアートのパイオニア

1980年代から活躍するジェフ・アエロソル

1980年代から活躍するジェフ・アエロソル

ジャン・フランソワ・ぺロワ、通称ジェフ・アエロソルは1957年ナント生まれ。写真などをもとに型を作り、それを壁に貼り付けてスプレーを吹き付ける、ステンシルという技法を使った壁画アートの第一人者です。アエロソルとはスプレー缶の意味なのでそのままですね!
学校で英語教師をするかたわら、1980年代の初めからステンシルアートに目覚めたジェフ・アエロソルですが、今ではヨーロッパをはじめ世界中で作品を残しているアーティストです。長めの髪にブーツスタイルでギターをこよなく愛するミュージシャンの側面を持っているのも魅力的ですよね。では、エクスポの様子をさっそくレポしていきます!

ユーモアのセンスいっぱい、自画像シリーズ

自画像「Chut!」

自画像「Chut!」

インタビューに答えるジェフ・アエロソル

インタビューに答えるジェフ・アエロソル

ジェフ・アエロソルの作品で一番有名なのは、パリのポンピドゥーセンターのすぐ横、ストラヴィンスキーの泉にある巨大な壁画ではないでしょうか。一見画家のダリの肖像にも見えますが、これはジェフ・アエロソルの自画像で、Chut!(日本語で「シーッ!」)というタイトルがついています。
エクスポでは、ジェフ・アエロソルが自分の写真をもとに作成した初期のステンシルアートが展示されています。目を大きく開いた自画像に色んなバリエーションの加工をして、それぞれちょっとずつ違う作品ができあがるのが面白いですね。表情にもユーモアがあって楽しい作品群です。

展示会場に設置されていたビデオ上映も人気でした。普段はなかなか聞けないアーティストのインタビューは貴重ですよね。ビデオの中では、ステンシルアートをはじめたいきさつや、年代ごとの活動の変化などを、実際のスプレーや型を見せながらお話ししてくれます。ギターの演奏シーンもあり、音楽に対する思いも覗くことができます。絵だけに限らず、音楽も芸術で繋がっているんですね。とても気さくで色んなことを熱心にお話しされる様子が印象的でした!
本人モデルのポスターも

本人モデルのポスターも

初期の作品

初期の作品

子供の世界をステンシルアートに

青を背景にしたシリーズ

青を背景にしたシリーズ

ジェフ・アエロソルの作品にはたくさんの子供達が登場します。今回のエクスポでも、子供の姿を描いた作品が集められていました。ひざをかかえて座っている子供の絵はよく使われているモチーフの一つですが、ジェフ・アエロソルによると、あえて人種や国が分からないような姿にすることで世界に共通する子供像を描きたかったのだとか。また、最近の作品では、戦地になったウクライナから脱出する子供の絵も話題になりました。クマのぬいぐるみと鞄をさげた男の子の写真がモデルになっています。黒人の子供を集めた「ブラック・イズ・ビューティフル」は、子供達のいきいきした表情がリアル。こうしたメッセージ性のある作品も、自由な発信ができるストリートアートならではですね。
ひざを抱える子供は沢山用いられているテーマです

ひざを抱える子供は沢山用いられているテーマです

いきいきした子供達の顔を表現

いきいきした子供達の顔を表現

ミュージシャンのポートレートと世界の風景画

エクスポにはミュージシャンを題材にした作品スペースもありました。ギターを持った自画像をはじめ、世界の有名なミュージシャンや、昔風のかっこうをした路上の演奏家など、いろんな楽器を持った人達がモデルになっています。伝説的なミュージシャンもたくさん扱っています。ポートレートにその人の個性がよく表れていますね。
ミュージシャンやアーティストへの愛情がこもっています ミュージシャンやアーティストへの愛情がこもっています

ミュージシャンやアーティストへの愛情がこもっています

ジェフ・アエロソルは人間だけでなく、動物や風景などもモチーフにしています。今回は世界のさまざまな街を切り取った風景画も展示されていました。版画と写真が混ざったような独特の味があります。しかもただの風景ではなく、人物と組み合わせて異次元な空間を作ってしまうところが独創的。ここでも自由な感覚と細かい仕事ぶりが発揮されています!
風景と人物の組み合わせがセンス抜群

風景と人物の組み合わせがセンス抜群

ここはなんと渋谷です!横断歩道を泳ぐ人が・・・!

ここはなんと渋谷です!横断歩道を泳ぐ人が・・・!

アトリエ風のスペースで一挙展示!

壁に書かれているのはバスキア

壁に書かれているのはバスキア

このカオスな状態が「都会のジャングル」です!

このカオスな状態が「都会のジャングル」です!

もう1つの展示スペースでは、広いガレージのような場所を使っての作品展示がありました。コンクリートむき出しの壁で天井が高いスペースがアトリエっぽい雰囲気を出しています。ここではストリートアートを再現したような壁画をバックに、なんと約200体の人物像を展示。さりげなく床に散らばったスプレー缶がよりアトリエっぽいですよね。「都会のジャングル」というテーマにぴったりのごちゃまぜ感が圧倒的でした!
このごちゃまぜ感!さりげなくスプレー缶が散らばっているのがポイント このごちゃまぜ感!さりげなくスプレー缶が散らばっているのがポイント このごちゃまぜ感!さりげなくスプレー缶が散らばっているのがポイント

このごちゃまぜ感!さりげなくスプレー缶が散らばっているのがポイント

こんなかわいい絵も見つけちゃいました♡ こんなかわいい絵も見つけちゃいました♡

こんなかわいい絵も見つけちゃいました♡


落書きというイメージから芸術へ、今ではすっかり市民権を得たストリートアート。活躍するアーティストもどんどん増えています。その中でもジェフ・アエロソルはステンシルアートのパイオニアとして一線を画す存在です。今回のエクスポも長蛇の列で、人気のほどが分かりますよね。まだまだ現役として活動を続けているジェフ・アエロソル、いつか皆さんのそばにも作品が出現するかもしれません!
以上、パリナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2022-10-19

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