ヴェルサイユ庭園の大噴水ショーに行ってみよう!

春から夏にかけて開催されるヴェルサイユ庭園の大噴水ショー。その華やかな様子を庭園の魅力とともにお届けします!

広~いヴェルサイユへようこそ!

広~いヴェルサイユへようこそ!

こんにちは、パリナビです。パリ旅行ではぜひ訪れたいスポットの一つ、ヴェルサイユ宮殿。行きたい観光地でも常に上位にランクインする人気スポットです。
ヴェルサイユ宮殿はその広大な庭園も有名ですね。ここには沢山の噴水や池があるのですが、通常は水が張られておらず、噴水も止まっています。でも4月から10月末までの半年間は、土曜日と日曜日限定で音楽と大噴水ショーが開催されています。有名な噴水から水が出るところや、普段は入れない部分も一般公開されるので一見の価値ありです。特に6月から8月はお天気もいいのでショーを見るのには絶好のチャンス。広~いヴェルサイユの庭園で噴水ショーを楽しみましょう!

ヴェルサイユ庭園とは?

フランスを代表する庭園

フランスを代表する庭園

はじめにヴェルサイユ庭園についてちょっとおさらいしましょう。1661年、造園家のアンドレ・ル・ノートルは当時の国王ルイ14世によって庭園の設計をすることになります。ル・ノートルのほか、宮廷画家のシャルル・ル・ブラン、建築家のルイ・ル・ヴォーとジュール・アルドゥアン・マンサールといった、当時の王室ご用達のそうそうたるメンバーが造園に携わっています。そして、ルイ14世自身も工事中の庭園をくまなく視察したのだそうですよ。
ヴェルサイユ庭園の画期的なことの一つは水です。実はヴェルサイユには水がありませんでした。そこで庭園まで35kmの運河を引いて水を取り込むことにしたのです。この運河は17世紀以来変わっていません。人工的に水まで引けるという王の絶対的な権力を見せつけたんですね。そして、庭園には一般の人々が入ることも許可されていました。民衆にとっては、立派な庭に実際に入ることで王様の力を感じることになりますね。これもルイ14世の統治作戦の成功と言えるでしょう。
では、そんな庭園で春夏だけ公開される噴水の様子を見てみましょう。
庭園にある彫刻の数は155体!

庭園にある彫刻の数は155体!

毎年30万本の花が植えられます!

毎年30万本の花が植えられます!

オランジュリーとラトナの泉水

ラトナの泉水

ラトナの泉水

芸術的な幾何学模様のオランジュリーはマンサールの作品。計算し尽くされたデザインはフランス庭園の代表格と言えますね。その芝生のまわりにはスペインやイタリア、ポルトガルから取り寄せたオレンジやレモンの木などが整然と並んでいます。中には200年を超える木もあるそうですよ。
宮殿を背にして目の前にあるのが有名なラトナの泉水です。庭園の泉水や彫刻はギリシャ神話を題材にしたものがほとんどですが、こちらのラトナの泉水も、オウィディウスの「変身物語」をモチーフにした作品です。真ん中の女性はアポロンとアルテミスの母レト(ラトナ)。まわりをカエルやトカゲが取り囲んでいますが、これは、ラトナを侮辱したためにゼウスによって姿を変えられた村人たちです。王に従わない者には神の罰が下るというけん制の意味もこの彫刻には込められているんですね。大噴水ショーではラトナを囲むようにちょうど頭の上で交差する噴水と、カエルの口から吹き出す噴水が印象的でした!
幼いアポロンとアルテミスを守るラトナ

幼いアポロンとアルテミスを守るラトナ

カエルの口からも水が噴き出します!

カエルの口からも水が噴き出します!

アポロンの泉水

迫力あるアポロンの泉水

迫力あるアポロンの泉水

ラトナの泉水からまっすぐ運河に向かっていくと、もう一つの人気スポットであるアポロンの泉水があります。太陽王と呼ばれたルイ14世は自らを太陽神アポロンになぞらえていたので、庭園にはいくつものアポロン像があります。この像もルイ14世の代になってから池に設置されたものです。この泉水では二輪馬車に乗って天へ駆けあがっていくダイナミックなアポロンを見ることができます。大噴水ショーでは水しぶきをあげるような効果的な噴水が彫刻に迫力を増していました。とても広い池なので、高く水が上がったりと見ごたえ満点です!
噴水のない状態

噴水のない状態

高く噴き上がる水がダイナミックです!

高く噴き上がる水がダイナミックです!

鏡の池と舞踏会の間

では他の噴水もチェックしましょう。宮殿に向かって右手にある鏡の池でも大噴水ショーが見られます。水が音楽に合わせて吹き出すしかけになっている唯一の噴水です。まるで踊っているような水の動きがとても楽しいですよ!
音楽に合わせて踊る噴水をお楽しみください! 音楽に合わせて踊る噴水をお楽しみください!
音楽に合わせて踊る噴水をお楽しみください! 音楽に合わせて踊る噴水をお楽しみください!

音楽に合わせて踊る噴水をお楽しみください!

ラトナの泉水のすぐお隣には、舞踏会の間(ロカイユの木立)があります。名前の通り、円形の劇場のような形になっていて、アフリカ産の砂岩と貝殻で作られた階段状の滝が特徴です。大噴水ショーでは音楽に合わせてこの滝にたっぷりと水が流れます。豪快でとても涼しげな眺めです!
広々とした舞踏会の間(ロカイユの木立)

広々とした舞踏会の間(ロカイユの木立)

滝になって流れる水が涼しげです!

滝になって流れる水が涼しげです!

ギリシャ神話にちなんだ泉水

サチュルヌの泉水

サチュルヌの泉水

庭園には大型の泉水の他に小さい噴水もたくさんあります。大噴水ショーではそんな小型の噴水も水しぶきをあげています。中でも四季の泉水は、ギリシャ神話の登場人物に季節が象徴されています。たとえばサチュルヌの泉水は冬、バッカスの泉水は秋、花の泉水は春、そしてセレスの泉水は夏を象徴しています。この四季の泉水は、2019年に大規模な修復作業が行われたばかりです。彫刻についた藻や汚れを取り除き、17世紀の色彩を重視して色の補修がされました。そのおかげでそれぞれのモチーフである貝やぶどう、花などのモチーフが色鮮やかによみがえり、見学者の目を楽しませています。噴水ショーの際はぜひこの泉水にも立ち寄ってみて下さい!
花の泉水(春)色鮮やかな花々がきれい!

花の泉水(春)色鮮やかな花々がきれい!

バッカスの泉水(秋)秋といえばぶどう。お酒の神様にふさわしいモチーフです!

バッカスの泉水(秋)秋といえばぶどう。お酒の神様にふさわしいモチーフです!


庭園だけでもゆっくりと回れば半日ぐらいかかってしまう広大な敷地。大噴水ショーの季節は普段公開されていない木立も15か所解放され、ヴェルサイユ庭園をくまなく満喫することができます。
大噴水ショーは土日の開催。入場料は、宮殿やトリアノン見学も含めたパスポートが28.50€、庭園だけの見学は10.50€です(2022年8月現在)。また、土曜日は夜間見学もあります。この機会にぜひヴェルサイユ庭園の魅力をたっぷり味わってみて下さいね!
以上、パリナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2022-08-24

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