5月から6月にかけてのフランスのコロナ対策

5月9日から四段階に分けてロックダウンの解除がはじまります。

こんにちは、パリナビです。フランスでは5月から本格的にロックダウン解除に向けての動きが始まりました。ポイントは段階的な解除というところ。政府の方針では、4つのステップに分けて制限を緩和していく予定です。少しずつ社会が通常運転できるように5月から6月にかけて実施されるロックダウンの解除、具体的にはどんな内容でしょうか?ステップごとに内容を見ていきたいと思います。
段階的なロックダウン解除がはじまりました! 段階的なロックダウン解除がはじまりました! 段階的なロックダウン解除がはじまりました!

段階的なロックダウン解除がはじまりました!

5月3日 国内での移動が制限なしに

これまでは10km以内に限られていた外出制限が緩和され、それ以上の外出、地方をまたいだ移動が可能になりました。また、日中の外出に必要だった許可証の携帯も必要なし。これで外へ出るのも気が楽になりますね。
そのかわり、他の制限に関しては従来の状況が続きます。飲食店や映画館、美術館などの閉鎖は継続。仕事もテレワークが推奨されます。
移動制限があるため、パリも地元住民だけになりました 移動制限があるため、パリも地元住民だけになりました

移動制限があるため、パリも地元住民だけになりました

週末のセーヌ河岸の様子。飲食店が閉まっているのでみんなテイクアウトでピクニック。人出が増えすぎたため、警察も見回りを強化しました。 週末のセーヌ河岸の様子。飲食店が閉まっているのでみんなテイクアウトでピクニック。人出が増えすぎたため、警察も見回りを強化しました。 週末のセーヌ河岸の様子。飲食店が閉まっているのでみんなテイクアウトでピクニック。人出が増えすぎたため、警察も見回りを強化しました。

週末のセーヌ河岸の様子。飲食店が閉まっているのでみんなテイクアウトでピクニック。人出が増えすぎたため、警察も見回りを強化しました。

5月19日 ついにテラス解禁!美術館も再オープン!

待ちに待ったテラス解禁です!

待ちに待ったテラス解禁です!

第二段階の5月19日はフランス人の生活にとって画期的な変化の日になります。そうです、カフェやレストランのテラス席が戻ってくるのです!テラスはパリの文化、フランスの文化と言っても過言ではありません。それが閉鎖状態になることは、日本の皆さんが想像するよりももっと重大なことなのです。フランス国民みんながこの日を待ちわびたことでしょう。もちろんテラス席は従来よりもテーブルとテーブルの間隔が空けられます。一テーブルにつき6人までという制限付きで、席数としては少なく限られたものになりますが、テラス文化が戻ってくることは何よりも喜ばしいことですね。
モンマルトルのお店も軒並み閉鎖中

モンマルトルのお店も軒並み閉鎖中

飲食店はテイクアウトのみ。「注文する方はノックしてください」と書いてあります

飲食店はテイクアウトのみ。「注文する方はノックしてください」と書いてあります

テラス席にお客さんが戻るのが待ち遠しいです

テラス席にお客さんが戻るのが待ち遠しいです

そしてもう一つ、大きなニュースが。それは美術館、映画館、劇場の再オープンです。これも芸術の国フランスではとても明るいニュースです。外出はできてもこういう文化施設が閉まっていてはお出かけの楽しみも減ってしまいますね。誰もいない美術館前はとてもさみしい光景です。再オープンにつき、屋内で収容できるのは800人、屋外の場合は1000人という制限が設けられました。厳しい衛生管理のもとでの再開となります。
また、スポーツ施設の観客動員も許可されることになりました。こちらも収容人数は文化施設と同様です。
さらに、今まで閉鎖中だった「生活必需品以外の商店」も営業可能となります。夜間の外出禁止令はそれまでの19時から21時までに繰り下げられます。日照時間が長くなってくる季節、この措置もテラスの再開とともに嬉しいニュースですね。
美術館や映画館などの施設もやっと再オープン! 美術館や映画館などの施設もやっと再オープン! 美術館や映画館などの施設もやっと再オープン!

美術館や映画館などの施設もやっと再オープン!

6月9日 外国からの観光客を許可

飲食店の屋内営業も許可に

飲食店の屋内営業も許可に

さて、第三段階の6月9日には、夜間外出禁止が21時から23時までに繰り下げられます。夏至のある6月は一年で一番日が長くなり、日没が22時ごろになるので、この措置はフランス人の生活リズムには必要不可欠な対応とも言えます。また、前の段階でテラス席だけが認められたカフェやレストランが、ようやく店内の営業も許可されます。これももちろん厳しい衛生管理により、十分な距離を保った間隔でのテーブル配置となります。一テーブルは6人までが規則。こちらも従来のような経営状態とはかなり違ったものになりそうですが、秋からずっと閉鎖状態だった飲食店の完全営業は、飲食関係者だけでなくお客さんにとっても喜ばしく明るい話題です。また、今まで推奨されていたテレワークも少しずつ緩和されます。そして、パス・サニテールの提示により施設の収容人数も5000人までに広げられます。このパス・サニテールは、2日以内に受けた検査の陰性結果、あるいはワクチン接種の証明をまとめた衛生パスポートで、旅行や大規模なイベントへの参加はこれが必要となります。6月9日には見本市や展示会場も再開されますが、こういった大人数のイベントにはこのパスポートの提示が必要です。
もう一つ大きな緩和として、この日からは同じようにパス・サニテールの提示により外国からの観光客が受け入れ許可となります。条件付きにしても、ようやく国の門戸が開かれますね!
いよいよ外国からの旅行客の受け入れが始まります いよいよ外国からの旅行客の受け入れが始まります いよいよ外国からの旅行客の受け入れが始まります

いよいよ外国からの旅行客の受け入れが始まります

6月30日 夜間外出禁止の撤廃!

最後の第四段階では、ついに夜間の外出禁止令が全面的に解除されます。一時期は18時という厳しい門限を強いられてきたフランス国民にとって、この撤廃は精神的にもやっと解放された感が出ますね。テレワークに関しても強制的なものはなくなるので、オフィスにも活気が戻ることでしょう。また、感染防止、衛生管理や社会的距離の確保を条件としたうえで、各施設においてもそれまでの人数制限が解除されます。こうして少しずつ範囲が広がっていくのは嬉しいことですね。
ただ、ナイトクラブ、ディスコといったお店は6月30日を過ぎても閉鎖が続きます。アルコールを出すお店や、狭い空間で密になりがちな場所にはまだまだ警戒が必要ということでしょう。夜の活気が戻るのはすぐではなさそうです。
夜景が見られる日もあと少し 夜景が見られる日もあと少し

夜景が見られる日もあと少し


このように4つの段階を経てロックダウンが緩和されていきますが、かといってやはり油断は禁物。テラス席の再開や映画館、美術館などのオープンはとても明るいニュースですが、収容人数や社会的距離の確保、消毒やマスク着用といった衛生管理はこのまま厳しく管理されます。つい羽目を外したがるのがフランス人(?)かも知れませんが、それぞれが責任を持ってこのロックダウンの緩和を支えるのが大事ですね。
カレンダーの予定通り、順調にフランス社会が復帰していくことを願っています!
以上、パリナビでした。










上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2021-05-12

ページTOPへ▲

その他の記事を見る