英仏海峡を望む港町、サンマロへ、高い城壁に囲まれた旧市街には古い石造りの建物がたくさん残っています。
こんにちは、パリナビです。今回は、ブルターニュ地方の人気観光地、サンマロに行ってきました。サンマロは英仏海峡を望む港町で、12世紀頃から築かれたという高い城壁に囲まれた旧市街には、古い石造りの建物がたくさん残っています。17世紀には、フランス国王から他国の船を襲うことを許可されていた公認の海賊たちコルセールが、ここを拠点に活動し、彼らのおかげで、フランス有数の港町として栄えたそうです。
旧市街へと続く道
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港には観光用のクラシックな帆船も
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さて、観光スポットとして人気の旧市街は、サンマロの鉄道駅からバスで5分ほどのところにあり、バス停を降りるとサン・ヴァンサン(St-Vincent)門があります。すぐ横には港があり、自家用小型船から、観光船まで色々な船が泊まっているのが見え、海の匂いを感じます。サン・ヴァンサン門から旧市街に入ると、小さな広場があって、アーティストたちがサンマロの風景画を売っていたり、似顔絵を描いていたりします。
サン・ヴァンサン門
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画家たちが自作の海や船の絵を売っています
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市役所を右手に見ながら進むと、城壁への登り口があり、旧市街をぐるりと取り囲む城壁が遊歩道になっています。ここから眺める海の美しいこと!まず、前方に見える小さな島がプチ・ベ島。その先に、サンマロ生まれ、フランスロマン主義を代表する作家シャトー・ブリアンの墓があるグラン・ベ島が見えます。
城壁の上の遊歩道
右手に青い海、左手に旧市街を見ながら、遊歩道をのんびりと散策していきましょう。城塞都市ならではの、海に向かって配置されている大砲の上に子どもたちがのって遊んでいたり、また、市街西方には、城壁の外側にビーチもあって、泳いだり、日光浴していたりする人の姿も見えます。ただ、ブルターニュの海は冷たいので、水に入れる時期はせいぜい7月半ばから8月半ばくらいまで、などと言われています。
昔の大砲は子どもたちが乗るのにちょうどいい大きさ?
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城壁の下に広がるビーチ
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また、遊歩道脇の広場には16世紀に活躍した冒険家ジャック・カルチェの像が立っています。ジャック・カルチェは、サンマロの港から出帆し、カナダのプリンス・エドワード島にヨーロッパ人として初めて足を踏み入れ、フランスのカナダ植民の基礎を築きました。
遊歩道でのんびりする人たち
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冒険家ジャック・カルチェの銅像
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遊歩道には旧市街への下り口が数か所あります。遊歩道をぐるりと回ったら、今度は街中に降りてみましょう。昔のたたずまいを残した通りにはホテル、レストラン、カフェ、みやげもの屋が軒を連ねています。また、街かどでミュージシャンが演奏していたり、アーティストがパフォーマンスをしていたり。さすが、ブルターニュ一の人気観光スポットだけあって、外国人観光客も多く、街を歩いていると、英語、イタリア語、中国語など様々な言葉が耳に入ってきます。
観光客でにぎわう街中の通り
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みやげもの屋もたくさんあります
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ストリート・ミュージシャン。自作CDを売っています
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海賊の人形?と思ったらアーティストのパフォーマンス
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さて、ブルターニュの食の名物といえば、海の幸、そしてクレープ。旧市街にもたくさんクレープのレストランが並んでいます。クレープは正しくは、生地がそば粉からできているガレットと、小麦粉で出来ているクレープの2種類に分かれます。ガレットは、ハム、卵、サーモン、マッシュルームなどを包む、おかず系のもの。地元の人によると、ハムと卵とチーズが入ったコンプレcompletと呼ばれるガレットが定番なのだとか。一方のクレープはチョコレート、はちみつ、マロンクリームなどを包むデザート系のものです。ガレットはりんごからできた発泡酒、シードルを飲みながら食べるのが、ブルターニュ風です。クレープには、アイスクリームやシャンティと呼ばれる生クリームをトッピングできるので、私はチョコレートのクレープにバニラアイスクリームをプラスしました。
creperieはクレープのレストランのこと
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素朴なクレープ
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ブルターニュは、特産の有塩バターを使ったお菓子類も有名です。代表的なものはガレット・ブルトンヌと呼ばれるさくさくっとしたサブレー。これはブルターニュとの境に位置するノルマンディ地方のモンサンミッシェルにある、メール・プーラール社のものが有名で、サンマロにも専門店があります。また、日本でも少し前に流行したクイニアマンも、ブルターニュ生まれのバターをたっぷり使ったパン菓子です。こちらも、旧市街の目抜き通りに専門店があって、職人がお菓子を焼いている姿を見ることができ、おやつタイムの3~4時頃には行列ができることもあります。
箱がきれいな、ガレット・ブルトン
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クイニアマンは色々な大きさが
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さて、サンマロみやげのキーワードは、ずばり、海!でしょう。マリンストライプのTシャツやパーカー類、灯台の形をしたオブジェやミニチュアの帆船、塩の産地として有名なゲランドの塩、“かもめの卵”というその名の通り、卵そっくりのチョコレートなど。
サン・ヴァンサン門近くの広場で、アーティストたちが売っている海や島を描いた画も、一点ものなので、いい旅の思い出になるでしょう。
海を感じさせるマリンストライプのシャツ
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本物の卵みたい。白い糖衣の下はチョコレート
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サンマロまでは、パリのモンパルナス駅からTGVの直行便でおよそ3時間、途中レンヌ(Rennes)駅で乗り換える場合でも3時間20分程度。サンマロの駅から、旧市街まではバスで約5分。歩いても20分くらいです。また、お隣のノルマンディ地方にある世界遺産として有名なモンサンミッシェルもサンマロから車で1時間程度の距離にあるので、両方を訪れるパリ発の観光バスツアーもあります。以上、パリナビでした。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-08-31