パリってどんな街!? パリの人口や面積、パリジャン・パリジェンヌの気質など、基礎知識をおさらいしてみましょう。
こんにちは。パリナビです。「パリってどんな街?」と聞かれて、ぱっと答えられる人もいれば、有名な観光スポットくらいしか思い浮かばない人もいるでしょう。よく言われることは、「パリと、その他のフランスの都市は全然違う!」「パリジャンを見て『フランス人』と思わないで!」などなど……。パリと、その他のフランスの都市はどんな風に違うのでしょう? ということで、パリの基礎知識を一緒におさらいしてみましょう。
面積と人口
パリはフランスの首都で、Île-de-France(イル=ド=フランス)地域圏の首府でもあります。現在パリ市内の人口は約225万人で、面積は約105km²。20の区に分けられています。パリ市内の人口は1920年代にピークとなり、最盛期に人口約290万人、人口密度は32,000人/km²を超えました。その後、郊外へ人口が拡散したため、パリ市内の人口は減少しましたが、近年は人口減少が底を打ち、再び微増となっています。
パリ郊外も含めた人口は約1200万人で、面積は12,012km²。この、パリ郊外も含めた「首都圏」は、フランス全土のおよそ2%ほどの広さにも関わらず、フランスの総人口の約19%が集中しています。パリの西部郊外には、Neuilly-sur-Seine(ヌイイ・シュル・セーヌ)などの高級住宅地があり、比較的裕福な人々が住んでいます。そして、北東部郊外の一部には犯罪率や失業率が高い、移民が多く住む公営団地地区が広がっています。パリで社会問題になっている"Banlieue"(バンリュー/郊外)は後者を指します。2005年に起きた「パリ郊外暴動事件」は、パリ北東部のベッドタウン、Clichy-sous-Bois(クリシー=ス=ボワ)で始まりました。パリは、美しくておしゃれなイメージがありますが、こういった深刻な社会問題も抱えています。
パリに住んでいる男性はparisien(パリジャン)、女性はparisienne(パリジェンヌ)と呼ばれています。
パリの気候
パリは、北緯48度50分、東経2度20分に位置していて、日本の稚内(北緯45度)よりも北にあります。こんなに高緯度にあるパリですが、温かい北大西洋海流と偏西風により、一年を通して比較的温暖です。
春を感じる暇もなく、夏がやってくるという感じなのですが、一応春には桜を見ることができます。
夏は日照時間が長く、午後9時過ぎまで明るいです。暑い日もありますが、朝晩肌寒くなることも多々あるので、外出時にカーディガンやジャケットを持参した方が賢明。強い紫外線で目を痛めることもあるので、サングラスを使用することもオススメします。
秋は、夏の終わりを感じさせて少し淋しい季節。木枯らしが吹く中、トレンチコートや革のジャケットを着たパリジャン・パリジェンヌが歩いています。
冬は日照時間が短く、日没は午後5時くらいです。寒さはかなり厳しいので、しっかり防寒できるコート、厚手の手袋やマフラー、ブーツなどは必須。さらに防寒用の帽子を被っている人も少なくないです。
パリの祝祭日
パリでは、3~4月の「復活祭のバカンス」と、7~8月の「夏のバカンス」、12月の「クリスマスのバカンス」が大きなバカンスとなります。フランスはバカンス大国なので、「一年中バカンスばっかり!」と感じる日本人も多いでしょう。
宗教と民族
主な宗教はキリスト教で、85%を占めます。近年は、旧植民地からの移民が増え、イスラム教徒が増加しています。フランスではフランス革命以来、政教分離が徹底していて、2004年にはイスラム教徒の女生徒が頭に被るスカーフや、ユダヤ教徒が頭に被る帽子など、宗教的なシンボルを公教育の場で身につけることを禁止する法案が成立しました。これは、フランス内外のイスラム教徒やユダヤ教徒から反発されていて、物議を醸しています。いくつかのキリスト教シンボルは、「既に一般化していて宗教的なシンボルとはみなされない」という理由から許容されているため、宗教的差別だという意見もあります。
シテ島にあるカトリック教会の大聖堂、ノートルダム大聖堂
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パリで一番大きなイスラム寺院、モスケ
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言語
唯一の公用語は、フランス語となっています。パリ以外の地域を見てみると、ブルターニュではケルト系のブルトン語(ブレイス語)、アルザスではドイツ語の方言の一つとされているアルザス語、コルシカではコルシカ語、海外領土ではクレオール諸語など、77の言語が各地で話されています。
それから、同じ「フランス語」といっても、フランス国内の東西南北でそれぞれ訛りがあります。例えば「南仏訛り」のフランス語を話す人がいると、「この人はマルセイユの方から来たのかな?」と思われたりします。訛りがなくて一番美しいフランス語が話されている街は、Tours(トゥール)と言われています。
主な産業
2010年にダウ・ジョーンズが発表した「金融センターランキング」によると、パリは世界第5位。ヨーロッパではロンドンに次ぐ第2位です。それから、ホテルやシアター、ショップ、レストランなどを含む観光産業は、パリにおける最も大きな産業の一つです。また、みなさんもご存知の「パリコレ」が毎年開催されることからも分かるように、ファッション、アパレル産業も、とても大きな産業です。ファッション、アパレル産業は多様化しており、宝石類、アクセサリー、香水など広範囲に及んでいます。
パリジャン・パリジェンヌってどんな人?
フランス人男性は、幼少の頃から「女性を大事にしろ」と教え込まれるので、女性に対して基本的に親切。フランス人女性は、それが当たり前だと思っています。男性が女性を褒め称えるのはごく普通の行為で、ナビが道を歩いているとき、見知らぬ男性から「きれいですね」と声をかけられることもしばしば。これは、必ずしも「ナンパ」ではなく、彼らはただ単に女性に褒め言葉を送りたいだけなのです。
パリはモード発信の地ですが、パリジャン・パリジェンヌは古い物も大好き。頻繁に開かれるブロカント(骨董市)には、いつも人だかりができています。それとか、おばあちゃんからお母さん、お母さんから自分へと譲り受けたアンティークの時計を大事に使っているパリジェンヌもいます。靴なども、何度も修理に出して、長く大事に使う人が多いです。「使い捨て文化」になりつつある日本から来たナビも、見習いたい点です。
それから、サービスに携わるパリジャン・パリジェンヌの評判は良くない、というか、ハッキリ言って悪いです。笑顔がない、(外国人観光客に)英語で返答しない、ツンとしている、態度が悪い……などなど。フランスの他の都市出身のフランス人にも、評判が悪いパリジャン・パリジェンヌ。雑誌で、"Pourquoi les français détestent les parisiens"(なぜフランス人はパリジャンを嫌うのか)という特集が組まれたりするくらいですから。
パリジャン・パリジェンヌは、確かにそういう一面も持っているのですが、何か困ったときに一生懸命交渉したら融通をきかせてくれたり、ある店に通い続けて常連さんになると、こちらが驚くほど親切にしてくれたり……という一面も持っています。
知っておきたいパリの常識
今までナビが、初めてパリに来た友人や同僚に聞かれた質問をまとめてみました。
Q1:パリって治安が悪いの? 夜出歩いても平気?
A:スリやひったくりは、昼間でも起こり得るでしょう。とはいえ、基本的には昼間歩いていて怖い目にあうことはあまりないでしょう。ただし、夜になったら、治安が悪いと言われているエリアには行かない方が賢明。パリ市内で治安が悪いと言われているのは、北の方です。それから、主要ターミナル駅(特に北駅)などの大きい駅は、夜になると治安が悪化するのでなるべく避けた方が良いでしょう。特に女性は、夜遅くなったら、メトロではなくタクシーを使った方が安全です。
デモ行進する人たち
Q2:パリってデモとかストが多いんでしょ?
A:その通り! 年中、大規模・小規模のデモやストが行われています。エール・フランスの職員がクリスマス休暇に合わせてストをして、空港で客が右往左往している映像をニュースで見たこともあります。常に不測の事態に備えておきましょう!
Q4:パリでもチップって必要なの?
A:基本的にサービス料込みになっているので、チップは必須ではありません。メニューや伝票に"Service Compris"と書いてあったら、それはサービス料込みの料金という意味です。なので、コーヒー一杯程度なら、チップを置かない人も多いです。ただし、クラシックなレストランに行った際には、やはりチップを置いた方がスマートでしょう。それから、サービスがとても良かったり、何か親切にしてもらったりしたときは、ありがとうの気持ちを伝えるためにチップを置いても良いでしょう。
Q5:パリって、やっぱりアムールの街?
A:……そうですね。スキンシップが多い国民なので、恋人同士がイチャイチャするのは当たり前。キスシーンも、よく目撃するでしょう。レストランでも、カップルの割合が多いです。日本だと、女同士でレストランに行くことも多いですが、パリではあまり見かけません。基本的にカップル文化なので、恋人がいない人にとっては若干生活しにくいかもしれません。
いかがでしたか? ここでは、まだまだパリの姿を全部紹介できませんでしたが、後はみなさんが実際パリを訪れて、自分が感じたことや学んだことを心に刻んでいってください。それでは、良い旅を! Bon Voyage! 以上、パリナビでした。
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記事登録日:2011-03-04