こんにちは、パリナビです。パリの街はよくかたつむりに例えられます。シテ島を中心にぐるぐると螺旋状に広がった街はまさにかたつむり。古代、中世と少しずつその範囲を広げ、現在の20区からなる街が出来上がったのは1860年代のこと。観光エリアからパリ住民の暮らす区までどの区もそれぞれ個性があります。今回は、旅行前に役立つ基礎知識。パリ20区をまとめておさらいしてみましょう!
パッサージュの多いエリア
パリの中で一番面積の小さい区です。この区の特徴は人気パッサージュが集中しているところ。パリで一番美しいと言われるギャラリー・ヴィヴィエンヌをはじめ、パッサージュ・ショワズール、パッサージュ・デ・パノラマ、さらにパッサージュデュ・グラン・セールなど、個性豊かなパッサージュが点在します。さらに、レ・アールから伸びるモントルグイユ通りは観光客だけでなく地元パリジャンにも親しまれている賑やかな商店街です。旧商工会議所が中央にあり、その周りには両替商が沢山軒を連ねているのも特徴です。
3区 北マレ
ピカソ美術館
フランス語で「Haut Marais」と呼ばれている北マレ地区に当たります。ここはレピュブリック広場から縦に伸びるタンプル通りを中心に、問屋街あり、職人街あり、ギャラリー街ありと色んな顔のある区です。またピカソ美術館やカルナヴァレ美術館などがあります。このエリアのおすすめランチスポットはマルシェ・デ・ザンファン・ルージュ。まるで屋台街のような屋内マルシェでは、日本をはじめ各国のグルメが味わえます。
ポンピドゥーセンター
パリの歴史を語るうえで外せないのがこのエリア。ノートルダムのあるシテ島の大部分とサン・ルイ島は4区に入ります。パリ市庁舎、ポンピドゥーセンター、ヴォ―ジュ広場があり、貴族の館だったオテルと呼ばれる建物が数多く残ります。ユダヤ人街もあり、ベーグルやファラフェルなどのメッカでもあります。リッチでシックなイメージのマレ地区、現在はレインボーカラーに象徴される同性愛者の集まる地区としても知られています。
サン・ジェルマン・デ・プレ界隈、リュクサンブール公園、ボザール美術学校などがある区です。中でもリュクサンブール公園はパリ市民の憩いの場であると同時に観光客にも人気の公園です。美術館やモニュメント巡りのついでに、ぜひこの公園も訪れてみて下さい。活気と同時に落ち着きのある6区は左岸を代表するパリらしい区です。
オルセー美術館
真ん中にアンヴァリッド、西にエッフェル塔と、パリの二大モニュメントがあるのが7区。オルセー美術館、ロダン美術館も7区に入ります。人がたくさん集まるこう言った観光地以外は、とても閑静でシックな住宅や商店街があります。ハイソな気分でお散歩したい人にはピッタリの区です。
西の端にある凱旋門から延びる世界で最も有名な通りのひとつ、シャンゼリゼがあります。大統領官邸のエリゼ宮があり、グラン・パレ、プチ・パレが向かいあっています。はじめてのパリ観光では必ず目的地となる場所です。北の端にはモンソー公園、東にはマドレーヌ寺院があります。
オペラ座や大型デパートがあるのは2区との境目辺り。北の18区に向けて進むと、少しずつ観光色が薄れてきます。どこか庶民的な匂いのするマルティ―ル通りが真ん中を貫き、歴史ある教会が並び、一度は訪れる価値のあるロマンチック美術館があります。また、楽器専門店街があるのも特徴です。
10区 運河の街
サン・マルタン運河
10区を象徴するのものと言えばやはりサン・マルタン運河でしょう。ブルジョワ・ボエームが集まるお洒落でリッチで自由な雰囲気がこの界隈にはあります。それと同時に、北駅、東駅があり、その周りはインド、スリランカ系のお店が並ぶエキゾチックタウンでもあります。メトロのシャトー・ドー近辺はアフリカ系の美容院がずらり。
11区 ナイトライフ、若者の街
バスティーユ市場
パリの区も二桁になるとだいぶ庶民的でローカルな雰囲気になって来ます。バスティーユ広場から北に当たる11区は、まず一度は行きたいバスティーユ市場があります。そしてそこからさらに北へ進むと、若者の集まるクラブやバーがあり、ナイトライフを楽しめます。ローカルな値段で美味しいものが食べられるレストランも多い区です。
12区 ヴァンセンヌの入り口
プロムナード・プランテ
リヨン駅、ベルシー公園のある12区は、高架鉄道跡を利用したプロムナード・プランテがおすすめ。また、バスティーユのすぐ南には庶民的な雰囲気が魅力のアリーグル市場があります。東の端はヴァンセンヌの森。
パリで一番大規模な中華街があることでも有名ですが、最近は大胆なストリートアートが注目を集める区です。西側は歴史あるビュット・オ・カイユ地区、そして東側はセーヌ河沿いの新興住宅地。パリの中でも一番現代的な区です。
14区 モンパルナス
モンスリ公園
6区との境に立つモンパルナスタワーから南が14区。ここは非常に治安のよい住宅街として人気の高い区です。モンパルナス墓地やカタコンブがあります。そのそばには地元民の台所、ダゲール通り。パリの暮らしぶりを見てみたい人は14区へどうぞ。
16区 言わずと知れた高級住宅地
パレ・ド・トーキョー
シャイヨー宮、パレ・ド・トーキョー、ギメ美術館、バルザックの家、マルモッタン美術館…。16区と言えば高級住宅街のイメージですが、訪れる場所は色々あります。ブローニュの森に隣接したオートゥイユの温室庭園も有名です。
17区 庶民的なバティニョール
バティニョール大通り
17区は凱旋門の裏から北の方に広がる区です。全くの住宅街なので観光スポットはありませんが、散策するなら18区との境、クリシー広場のそばにあるバティニョール界隈がおすすめ。可愛らしい庶民的なエリアです。
パリへ来たなら必ずここへとナビがおすすめする界隈、それはやはりモンマルトルです。他の区にはない独特の魅力は歩いてみなければ分かりません。ただ、18区を散策する時は西側半分、サクレ・クール寺院やモンマルトルエリアだけにしましょう。メトロはアンヴェール駅あるいはアベス駅がおすすめ。バルベス駅、シャトールージュ駅は避ける方が無難です。
科学博物館
科学博物館のあるラ・ヴィレットはパリの家族の絶好のお出かけスポットです。また、ラ・ヴィレット貯水池は夏の間パリ・プラージュが界隈され、開放的なバカンス気分が味わえます。注意点は貯水池より北には行かない方がいいこと。19区の南側にはビュット・ショーモン公園があり、ここからはサクレ・クール寺院を含めたパノラマが楽しめます。
著名人のお墓詣りにどうぞ
20区は19区と並んでパリでも一番庶民的なエリア。はっきり言うとほとんど移民の街です。ベルヴィルは中国系移民が多く、安くて美味しい中華が食べられます。見どころは何と言ってもペール・ラシェーズ墓地。石畳の小道はとても風情があります。ただ、墓地から北東方面はなるべく行かないようにしましょう。
ざっと案内しただけでもそれぞれの区で違った個性があることが分かってもらえたと思います。旅行者はあまり二桁の区に行く機会がないかもしれませんが、普段のパリの暮らしを垣間見るには面白いので、時間があればちょっと歩いてみるのもいいかもしれません。あと、パリは北東があまり治安がよくないとされているので、18区の北部、19区、20区の北東部は夜間は避けるようにしましょう。
楽しいパリ歩きになりますように!
以上、パリナビでした。