海と深い関わりを持つブルターニュ。今回は、北の海と南の海の文化を訪ねる旅を紹介します。ブルターニュのおいしいお菓子や料理もご案内します。
こんにちは、パリナビです。パリから西北にある地方、ブルターニュは不思議なパワーを持つという印象があります。太陽信仰とも言われる紀元前4500年前の巨石群、幻想的な美しい赤い花崗岩の続くコート・ド・グラニ・ローズ、古い礼拝堂の並ぶモルビアン。ブルターニュに住む人のことを「ブルトン」といい、活気があり、活力みなぎるケルト民族の末裔として独自の文化を持ちます。海に囲まれているブルターニュは、海と人と土地が混ざり合う文化のよう。今回は、「海と人と地」というテーマでモデルプランを紹介します。
◆◆◆ブルターニュ、南端の海へ モデルプラン1◆◆◆
レンヌ→ゲランド→キブロン→カルナック
1日目 首都「レンヌ」へ
まずは、旅の拠点「レンヌ」へ移動しましょう。パリ・モンパルナス駅からTGVで約2時間で、ブルターニュの首都レンヌへ。レンヌから北のサンマロ方面、南のヴァンヌ方面へもアクセスできて旅の拠点にもぴったり。また、レンヌはエコロジックな街としても知られる活気のある街。特に土曜日の朝市、マルシェはお見逃しなく。メトロ、サンタンヌ駅(Sainte-Anne)駅周辺で開かれます。
2日目 果てしない過去へ〜カルナック
ブルターニュには、未だに解明されていない謎めいた巨石が並ぶ遺跡を見ることができます。太陽信仰とも、天体観察を行っていたとも言われる花崗岩の切り出し岩は、どうやって運んだのか、どのように測量したのかと謎が残ります。全体的な配置や情報は、先史博物館(musée de préhistoire) で。すぐ近くにメンヒルが並びます。
用語
Alignment(アリニュマン):直列した石の列
Dolmen(ドルメン):2つの直立した石の上に3つ目の石を載せたもの
Menhir(メンヒル):直立した石
このように道路沿いに表記してあります。草原の中に立ち並ぶ石がとても不思議な気持ちにさせる場所です。
行き方
レンヌからTGVでヴァンヌ駅下車して下さい。キブロン行きの1番バスに乗り換えて1時間20分程度で到着。
モルビアン地方には、300~500年前の数多くの遺跡が残されています。ブルターニュのキリスト教地域信仰のすばらしく、まためずらしい遺跡を見ることができます。特に石を使った細工や建物、ユニークな像など、独特の文化。車でのアクセス法しかありませんが、是非訪ねてみる価値有り。Faouet, Berne, Ploerdut, Prizac, Gourinの町がオススメです。
3日目 美しき島への道〜キブロン
カルナックから1本道を鉄道と平行して道路が走ります。細長い半島の右も左もすぐ海!半島の先端、1本道の到着地がキブロンです。バカンス気分に盛り上がる小さな港町キブロン。海岸、港、カフェ、おみやげ屋さんが立ち並びます。港からは、美しき島という意味のベルイルまでフェリーで渡ることができます。時間があれば是非訪れてみて下さいね。(夏休みはフェリーを予約した方が良いでしょう)キブロンといえば、塩バターキャラメル。中でも「アンリ・ルルー」の塩バターキャラメル(CBS)は最高においしいです。とってもオススメ。日本の伊勢丹にもお店があるので知っていらっしゃる方も多いはず。キブロンの港は鰯漁が盛ん。ブルターニュ産の鰯で作ったオイルサーディンは小さなかわいらしい缶に入っていておみやげにも重宝。
4日目 塩の町、ゲランドへ
ゲランドは、ロワール・アトランティック地方に位置しますが、ブルターニュの文化を色濃く残す地域。世界に名高い塩の名産地でもあります。塩は、盛夏で風がある時にのみ収穫することができます。冷夏には、塩の生産量が下がってしまうというように、自然に左右される産業。ゲランドの塩田には舗装道路が走っており、ドライブにも最適。塩の博物館では、塩の作り方や道具を展示します。
◆◆◆ブルターニュ、南端の海へ モデルプラン2~北の海へ◆◆◆
レンヌ→ディナン→サンマロ→カンカル
1日目 職人の町、ディナンへ
14世紀の町並みが残る「ディナン」河港の街、牡蠣の名産地「カンカル」から見るモンサンミッシェル、城塞都市「サンマロ」を訪ねてみましょう。
1000年近くも歴史のあるディナンへ到着すると、巨大な城塞の遺跡に圧倒されます。入りくんだ迷路のような小さな坂道が街をめぐって、どの道を進もうか悩むほど。ジェルジュアル通りには、職人の小さな工房や雑貨屋が並んで中世の街を歩いているかのよう。急な坂を降りてまっすぐ港まで続きます。城壁に上るとディナンの旧市街の町並みと河港を眺めることができ快適。サンマロまで遊覧船クルーズがとても気持ちが良いのでオススメ。他にもランス河を周遊して遺跡を見学する船も。ランス河沿いは、散歩コースになっていて、のんびり散歩も気持ち良いです。
行き方
レンヌからディナンへは、バスか電車でアクセスできます。
バス‥レンヌからTIBUS社の10番線で約1時間(1日6本程度)
鉄道‥SNCFでドル・ド・ブルターニュ(dol de Bretagne)乗り換え。
2日目 海賊の町サンマロへ
サンマロは、巨大な城壁に囲まれた都市。城壁は街を一周しており、海を見ながら散歩することができます。サンマロ沖の島には要塞がいくつか置かれていて、夜になるとライトアップされてきれい。アントラ・ミュロスと呼ばれる街の中にもたくさんのバーやレストラン、お店が並んで散策するのにぴったり。クレープ屋さんもたくさんあって、どこに入るか悩んでしまいそう。夏の期間には、ランス河を下ってサンマロまで遊覧船が出ています。
3日目 牡蠣を食べに〜カンカルへ
エメラルド色の海、世界最大の潮の満ち引きが、さまざまな風景を見せてくれます。カンカルといえば、もちろん牡蠣。塩分を程よく含み、ほんのりヘーゼルナッツの味がするおいしい牡蠣を食べることができます。中でも「馬の足」Pied de chevalという牡蠣がオススメ。カンカルの牡蠣は、地元の50のレストランで試食できます。
カンカルの町から岬を散歩するコースや教会、港を散策する散歩コースなどもあるので楽しんでみて。
◇◇◇おみやげスイーツ、オススメご飯をご紹介◇◇◇
ブルターニュの人々にとって欠かせないのが、塩入バター。クレープにぬったり、パンにぬったりしていただきます。また、ガレットと呼ばれるお菓子にも有塩バターを使います。ちょっと塩味が効いていておいしい。おみやげにも最適。薄めに作ったクッキー「パレ・ブルトン」は、濃厚なバターを感じるクッキー。
サーディン、ほたて、牡蠣など新鮮でおいしいものが手に入ります。特にサーディンはかわいらしい缶に入っていて、おみやげに重宝。レモン風味、トマト風味、ワインなどバリエーションも豊か。フランス人は、パンにバター(もちろん有塩バターで)を塗り、サーディンを乗せていただきます。
ブルーを基調にした素朴なイラストを施した陶器「カンペール焼き」フランスらしい一品。
ちょっとお腹がすいた時や肌寒い時に重宝なのが「スープ・ド・ポワッソン」(魚のスープ)たっぷり入った魚のスープにトマトやスパイスを使ったスープ。ペーストとチーズ、トーストが必ず添えてあるので、お腹もいっぱいに。
ブルターニュの地方菓子といえば、「クイニー・アマン」折り込みパイ生地にたっぷりのバターと砂糖を包み、キャラメリゼしたもの。カロリーたっぷりですが、なぜかクセになってしまう味です。
クレープ・ダンテルと呼ばれるお菓子。薄い層が重なってさくさくっとおいしいです。お土産用に缶入りもあります。ディナンの郊外で作られているお菓子。
ブルターニュの旅、いかがでしたか?不思議な土地「ブルターニュ」に住むブルトンはとってもパワフル人々と言われています。「何もないところから様々な物を作り出す人々」として他のフランス人からも一目置かれるのがブルターニュの人々。皆さんもブルターニュを旅する機会がありましたら「ブルトン」に出会い、文化を触れてみてくださいね。以上、パリナビでした。