漫画“ベルサイユのばら”ゆかりの地を訪ねて

世界中で愛されている日本の漫画、ベルサイユのばら。華やかな世界に思いを馳せつつゆかりの地めぐり・・・

こんにちは、パリナビです。創刊からかなりの歳月がたった今もなお、強烈なインパクトを放つ少女漫画「ベルサイユのばら」。いわずともフランス、そして主にパリが舞台となっている作品ですよね!世界中で翻訳され、こちらフランスでもLady Oscar(レディー・オスカー)やRose de Versailles(ローズ・ドゥ・ヴェルサイユ)と呼ばれ、日本を代表する“Manga”として知られていますよ!パリナビではそんな少女漫画の歴史的大作である“ベルばら”にゆかりのある場所を訪れて華やかな漫画の世界に浸ってみたいと思います。
ちなみにベルばらには沢山の魅力的な人物が登場します。みなさん個人個人によって主役の解釈は異なると思いますが・・・ナビの独断でマリーアントワネット、オスカル、アンドレを主要人物として、中でも彼らとゆかりの深い場所を原作に沿ってレポートしていきたいと思います。またいわずともマリー・アントワネットだけが実在の人物ですよね!

まずはヴェルサイユ宮殿!

先ずはベルサイユのばらの舞台の中心といえば、ヴェルサイユ宮殿ですよね!パリ市内からは郊外線で約30分ほど。世界中から人々が集まり常に混み合っていますが、そんな混雑にも負けていられません。
※ココでチケットを購入する際のミニ知識!
宮殿の他にアントワネットがより好んで過ごしたというプチ・トリノアンをはじめとする離宮エリアがありますが、こちらは別料金です。チケット購入の際に『アントワネットのエリアも見たい!』と告げるとアクセスが可能な1日券が購入できますよ。ベルばらにはこちらのエリアが多く登場しますので、漫画ファンの方々には特に、是非とも訪れて欲しいな、と思います♪
○ロイヤル・チャペル
荘厳で厳粛なムードのチャペル。16歳で母国オーストリアからフランスにお嫁入りしたアントワネット、実世界では王太子ルイとの結婚式はこちらでおこなわれたそうです。
○鏡の間
ヴェルサイユ宮殿の一番の見どころといわれています。作中でははっきり描かれているわけではありませんが、その昔、実際に舞踏会などがおこなわれていたという宮殿内で最も華やかな間。アントワネットや貴族たちの華やかな会話が聞こえてきそうですね。
○女王の寝室
アントワネットをはじめ、フランス王妃が利用した寝室。こちらでアントワネットも出産をおこないました。作中の終盤で怒りに燃えた民衆が王妃を襲撃しようとしたシーンがありましたね。子供達を抱きしめながらその恐怖を味わったのがこちらの部屋だったのかと一人思いを馳せるナビ・・・
○貴族の間
王妃との謁見用に使われたとされる間です。オスカルもこの部屋でアントワネットと謁見を行い、いろいろ女王と話をしたのでしょうね。また女王と恋に落ちたフェルゼン伯との謁見だってもちろんこちらですよね。
○食事の間
王と王妃が食事をおこなった間です。こちらにはマリーアントワネットと3人の子供に囲まれた肖像画があります。幸せな様子が垣間見える絵を見ていると革命の渦に巻き込まれた悲劇的な最期を思いました。またこちらがオスカルに恋をした小さな王子かあ。などと妄想を膨らませたり。
○王妃の階段
蜂起した暴徒達が宮殿内に侵入する際、階段を上るシーンがありました。その階段とはこちらだそう。
食事の間の親子4人の絵・・・

食事の間の親子4人の絵・・・

○王の寝室
怒りに燃えた民衆がヴェルサイユに押し寄せた際、アントワネットがバルコニーに出てお辞儀をしたあの印象的なシーン。作中のその舞台は王の寝室にあるバルコニーだったそうです。
宮殿内にあるルイ16世の像。

宮殿内にあるルイ16世の像。

○ルイ16世
ルイ15世の孫で、1770年にマリー・アントワネットと結婚しました。王位即位は1774年で作中では錠前作りが趣味だったり、とても穏やかな人として描かれていましたよね。しかし革命中にアントワネット同様、コンコルド広場で処刑されてしまいました・・・
ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)。実はとても小柄だったとか・・・

ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)。実はとても小柄だったとか・・・

○ナポレオン
フランス革命後、フランス初代皇帝として君臨したナポレオン1世。作中でもその冷徹で只者ではないという雰囲気をオスカルが肌で感じた、というシーンがありましたが、ナポレオンの功績はこちらの宮殿にも色濃く残っています。
○プチ・トリアノン
宮殿にはまだまだベルばらに関連するスポットがありますが、きりがないのでプチ離宮エリアに行ってみましょう。宮殿内の窮屈な生活を避けるため、アントワネットが取り巻きの貴族たちと過ごしたといわれるプチ・トリアノン。宮殿に比べるとかなり小規模な館や劇場、庭園などからなるエリアです。作中のシーンでも舞台となった場所が沢山ありますよ。
先ずは館から見ていきましょう。おとぎの国に迷い込んだようなロマンチックで華麗な佇まい。現実から逃避するために夢のひと時を楽しんだシーンが思い返されます。でもこの現実逃避が王妃の悲劇につながっていったのでしょうか。作中でも寵愛したオスカルが数々の助言をしたにもかかわらず、真摯に聞き入れられることはなかなかありませんでしたよね。また禁断の愛に苦しむフェルゼン伯と王妃が密会した、という場所や愛を語り合ったであろうと思われる神殿など見ごたえがあります。
離宮までは宮殿から徒歩約20分の距離。

離宮までは宮殿から徒歩約20分の距離。

先に見えるのが城館です。宮殿に比べこじんまり・・・

先に見えるのが城館です。宮殿に比べこじんまり・・・

こちらで親しい人々とだけロマンチックで楽しい時間を過ごしたんですね。。。 こちらで親しい人々とだけロマンチックで楽しい時間を過ごしたんですね。。。

こちらで親しい人々とだけロマンチックで楽しい時間を過ごしたんですね。。。

愛の神殿。

愛の神殿。

奥には池と岩の洞窟がありました。

奥には池と岩の洞窟がありました。

王妃の劇場。

王妃の劇場。

少し宮殿から離れた“王妃の茂み”。どんな会話があったんでしょうね・・・

少し宮殿から離れた“王妃の茂み”。どんな会話があったんでしょうね・・・

また、実世界でも王妃を窮地に陥れた首飾り事件。作中ではローアン枢機卿を騙すために、偽の王妃を引き合わせたとされる場所が王妃の茂みです。華やかな宮殿から庭園を少し奥に入ったところにありました。庭園内はあまりに広すぎるため例え警備がおろそかになったとしてもそれはそれで変に納得がいってしまうナビなのでした。
ヴェルサイユ市街。王の通り。

ヴェルサイユ市街。王の通り。

宮殿の門から出ても、ヴェルサイユの街全体に歴史の軌跡が残っています。作中の舞台はといえば、例えばテニスコートの誓いの舞台になったというジュ・ドゥ・ポーム。(ちなみにジュ・ドゥ・ポームとは当時流行したスポーツのような遊びです。)作中ではこちらでナポレオンとオスカルがすれ違っていました・・・

パリに戻ってみましょう!

○エコール・ミリテール
エコール・ミリテールは7区にあるフランス軍事学校です。作中ではオスカルが通っていた学校の舞台として、登場しました。
赤い絨毯が続くパレ・ロワイヤルの回廊。

赤い絨毯が続くパレ・ロワイヤルの回廊。

○パレ・ロワイヤル
ルーブル美術館のすぐ近く、現在は回廊の部分にオシャレなブティックやギャラリーレストランが並ぶ場所として知られています。現存する今の形はルイ14世の弟オルレアン公によるものだそうです。作中では、アンドレの視力を奪うきっかけとなった黒い騎士の居城として、そしてオスカルが捕らえられた場所として登場します。またアベイ牢獄にとらえられたオスカルの部下達を助けるためにベルナールが演説をした場所としても登場しました。
パレ・ロワイヤル。今は回廊にブティックなどが並び、落ち着いた雰囲気のエリアです。

パレ・ロワイヤル。今は回廊にブティックなどが並び、落ち着いた雰囲気のエリアです。

チュイルリー公園内。現在は人々憩いの場です。

チュイルリー公園内。現在は人々憩いの場です。

○チュイルリー公園
あの悲しいシーン。アンドレが戦死する舞台となった場所です。作中ではオスカルをかばって銃弾に倒れたんですよね・・・
バスティーユ広場
華やかなベルばらの世界。でも実はフランス革命が主題のマンガですよね。悲しい歴史が作中でも沢山語られていますね。そしてその革命の中心地、オスカルが最期を遂げたのはこちらのバスチーユ広場です。今は広場の中心にオベリスクが立ち、要塞は残っていません。漫画の中でも印象がひときわ強いシーン、オスカルの最期のセリフが蘇ります・・・。
○コンシェルジュリー
作中には捕らえられ、子供たちとも引き離されたその絶望と心労から、アントワネットの美しかった髪がすべて白髪になる!という衝撃のシーンがありました。その舞台、女王がコンコルド広場で処刑されるまで過ごした最期の場所はこちらだそうです。アントワネット以外にもオルレアン公やサン・ジュスト、ロペスピエールなど作中にも登場した多くの人物たちもこちらの牢獄で過ごし処刑されていったそう・・・
○コンコルド広場
革命時多くの血を吸った場所として知られるこちらの広場、実世界同様、ルイ16世やマリー・アントワネットの処刑がおこなわれたのはこちらです。
カルナヴァレ博物館。

カルナヴァレ博物館。

○カルナヴァレ博物館
オシャレ地区、マレの中心にある博物館。こちらにはフランス革命に関する資料などが豊富にあることで知られています。


今なお人々を惹きつけてやまないベルサイユのばら。大作ゆえ、細かくみていくと恐ろしくながーいレポートになってしまう為、今回はナビ的独断で“ここははずせない!”と思った基本的なスポットだけを、とりあげてみました。作中の登場人物が例え架空の人物であったとしても、活き活きと魅力的に描かれ、まるで激動の時代を本当に生きていたかのように錯覚してしまうのも、作品の大きな魅力のひとつではないでしょうか。パリ旅行の際はそんなベルばらゆかりの地を周って、一味違うパリ、フランスの魅力を体感してみてはいかがでしょうか。以上パリナビでした。
関連タグ:漫画ベルばら少女漫画

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-01-28

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