パリにいることを思わず忘れてしまいます。
こんにちは、パリナビです。パリといえば、華の都と謳われることもある美しい都市。歴史ある建築物や豊かな芸術遺産、華麗なファッションシーンなど、世界中から訪れる人々の五感を、魅了し続けている場所です。しかしその一方で、移民数が非常に多いことで、知られている都市でもあります。一言で移民といってもアジア系からアフリカ系、アラブ系、欧米系と様々です。また移民でなくとも、パリで暮らす外国人数も、かなりの数にのぼります。パリにおける民族の多様性は、たとえばパリのメトロに乗ってみると、すぐに気がつくと思います。フランスとは異なる文化を持つ人々が集まり、独自のコミュニティーを作っていくことで生まれる、彼らの領域。今日はパリにある、そんなエスニックタウンの数々をご紹介していきます!
これぞエスニックの香り!10区のインド街
まずナビが訪れたのが、パリ北部10区にあるエスニックタウン。こちらは主に2つのエリアに分かれてお店が集中しています。まず1つ目はパリのターミナル駅の一つ、Gare du Nord (北駅) とメトロ5号線のLa chapelle (ラ・シャペル) 駅の間のエリアです。
こちらにはインドを主として、バングラディッシュ、スリランカ、パキスタンなどの地域のレストランやお店が並んでいます。さかのぼると、これらの地域から沢山の移民がやってきた時期は、大きく分けて2回に渡るそうです。1回目は1948年、そして2回目は1983年、どちらも本国で大きな出来事が起こった時期と重なります。
そしてもう一つがそこからすぐ徒歩圏内のboulevard de Strasbourg (ストラスブルグ通り) 近辺。
特にPassage Brandy (パッサージュ・ブラディ) という小道はリトル・インディアと呼ばれていて、混沌としたインドの一角が、そのままパリに移動してきたような感覚だそうです。あたりに漂う香辛料の交じり合った独特の香りもインド・・・ (ナビはインドには行ったことがないのであくまでイメージ 。) ちなみにこちらの小道に最初にお店がオープンしたのは1973年のことだそうです。それが今では小さなお店やレストランがひしめき合っています。ちなみにこちらにあるお店はオーナーのほとんどがパキスタン出身だとの事。こちらへはメトロでアクセスすることが出来ます。最寄り駅はメトロ3/8/9号線のStrasbourg Saint-Denis (ストラスブルグ・サン=ドニ) 、もしくは4号線のChâteau d’Eau (シャトー・ドー) です。
ちなみにこれらのエリアですが、治安がよくありません。訪れる場合は、夜間は避けたほうがいいと思います!
フランス文化の香りとうまく交じり合うエリア
パリ5区、パリ大学のキャンパスやフランス屈指の名門高校が集まる学のエリア、“Quartier Latin (カルチエ・ラタン) ”。こちらもエスニックタウンとして是非紹介したいエリア。
アラビアンナイトの世界に迷い込んだよう、パリのモスケ!
まずこちらのエリアにはイスラム教の寺院である、Mosquée (モスケ) があります。礼拝堂は信者しか立ち入れないそうですが、美しい中庭や回廊は、一般の人でも見学することができます。またハマム (日本で言うサウナのようなもの) や、郷土料理を楽しめるレストランも併設されています。まるでアラビアンナイトの世界に入り込んだような、そんな錯覚を覚えるかも?!ちなみにモスケの場所はパリ植物園の目の前、メトロでのアクセスは、7/10号線 Jussieu(ジュシュー)駅から徒歩で約5分です。
モスケはレストランが併設されています。クスクスやミントティーなどイスラムの料理を楽しむことが出来ます。
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雰囲気もよく、静かな時間が流れています。都会のオアシス!
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またモスケからパンテオンに向かう途中に、通称「ムフ」と呼ばれる通り、Rue Mouffetard (ムフタール通り) があります。こちらの通りを中心に、このあたりにはアルゼンチン料理、ギリシャ料理、中華料理をはじめとするアジア料理など多国籍レストランが点在しています。パンテオンの裏側にもインド料理、チベット料理、ペルー料理レストランなどがあります。どのお店もいつも賑わいを見せていて、活気があります。パリでフレンチ以外の食事が欲しくなったら、このエリアを訪れてみるといいでしょう!若者や地元の人でにぎわうこちら、夜間にぶらぶらしても割と安心なエリアです。
チベット料理
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ペルー料理、レストラン名は“マチュ・ピチュ”!
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パリ屈指のオシャレエリアへ、名物ファラフェルを食べに出かけよう!
パリ4区のマレ地区は、パリジェンヌの中でも高い人気を誇る、パリ屈指のオシャレエリアとして知られています。こちらエリアには小規模ですが、ユダヤ人街があります。
こちらがマレ地区の名物、ファラフェル!
マレ地区を散策していると、人々が何かおいしそうなものを片手に歩いているのに気がつきます。そちらがこちらのエリアの名物でもあ“Fallafel (ファラフェル) ”、ヒヨコ豆のコロッケと野菜を、ピタパンに挟んだユダヤ風のサンドイッチです。ヘルシーでとっても美味!そしてこのファラフェルを食べたければロジエ通りへ。数軒のファラフェル屋さんが並び、行列ができています。またこちらの通りを中心に広がるエリアがユダヤ人街です。最寄り駅はメトロ1号線のSaint-Paul (サン=ポール) 駅です。駅からは徒歩約5分の距離です。マレ地区の一部でもあるこちらのエリアには、多くのレストランが集まっているため、夜でも多くの人でにぎわっています。
ロジエ通りにはファラフェルのお店が軒を連ねています。
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ロジエ通りで見つけた、元ハマムの建物!現在はオシャレなブティックに生まれ変わっています。
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ファラフェルを買い求める人の行列は、ユダヤ人街での日常光景です。
混沌とした風景から感じる、パリの人種の多様性
最後にご紹介するのは、パリの10区と19区にまたがるBelleville (ベルヴィル) エリア。こちらは以前のパリナビでも中華街の一つとしてご紹介したエリアです。
主に中華系のお店が並ぶこちらは、モロッコやチュニジアなど、北アフリカ系のお店が入り混じるエリアとして知られています。メトロ2/11号線 Belleville(ヴェルヴィル)駅を下車すると、駅前にすぐ中華街が広がっています。このエリアは前述のインド街同様、混沌としたエリアです。訪れる際は注意が必要です。レストランも多いので夜遅くまでにぎわっていますが、夜間の訪問は出来れば避けた方がいいかも知れません!
いかがでしょうか。一言でパリといっても様々な側面を持っています。エスニックタウンと訪ねることは、パリの持つもう一つの顔に直面することだと思います。また、各エスニックタウンに行くとやっぱり試してみたいのが各国の郷土料理♪他の都市と比べても、レベル高し!なところが多いです!
さすがにそこは美食の国フランスにあるエスニックタウンだから?!以上パリナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-01-19