毎年9月の第3週目の週末はヨーロッパ文化遺産の日。普段は非公開の場所が特別に一般へ無料で開放される日なのです!
いつもは厳重な警備体制のエリゼ宮。
こんにちは、パリナビです。毎年9月の第3週目の週末といえば、フランスの・・・いやヨーロッパ中の沢山の人々が楽しみにしている週末でもあります。なぜならこの2日間は文化的なビックイベントが催される日なのです。ヨーロッパ中の歴史的建造物のうち、普段は公開されていない場所がこの2日間だけ特別に無料で一般公開されるのです!その数は現在で約15000箇所!1984年に時の文化庁によって開催され、今年で27回目を迎える“ヨーロッパ文化遺産の日。”今年のフランスのテーマは“歴史を創造した偉大なる人物達”だそうです。ナビも張り切って出かけることにしました。アンサンブレ・ナショナル(国会議事堂)などこの日対象となる、普段非公開なスポットがパリ中にありますが、少し迷った挙句エリゼ宮(大統領官邸)に狙いを定めていざ出陣です!!!
6時間の待ち時間を経て・・・
シャンゼリゼ大通りまで続く長蛇の列。やはり皆さん気合が入っています。
パリ屈指のゴージャスでエレガントな通り、サン・トノレ通り。その通りの一角に常に凛とした空気が流れている建物があります。多くのガードマンがその目を光らせて警備にあたる建物、そうです、ここがフランス共和国の大統領官邸、エリゼ宮です。年に一度の無料開放の日はそんなエリゼ宮の中に入れる大チャンス!エリゼ宮に行くんだった相当並ぶことを覚悟していった方がいいよ、と地元の人からのアドバイス。開館は8時半とのこと、その少し前にエリゼ宮のサン・トノレ通り側の入り口に到着したナビ、人っ子一人いないではありませんか!“えっ?一番乗り?”なんて思ったのは大間違いでした!入り口はこの裏側です、と案内されて行ったところ、、、、、そこにはすでにものすごい長蛇の列が!歩けど歩けど最後尾は見えてきません。コンコルド広場をぐるーり、シャンゼリゼ大通り沿いにやっと最後尾を見つけることができました。
こんな長蛇の列に並んだのははっきり言って生まれて初めて。これからどのくらいの待ち時間があるか、なんて想像すらできませんでした。結論としては並び始めたのが8時半、入場できたのが午後2時半だったので正味6時間待ったことに・・・途中サンドイッチを売りに来る人や臨時のお手洗いや水のみ場があり、納得・・・涼しい気候だったのは幸いでした。
ここからさらに4時間の待ち時間との標識です。
|
|
警察によるパトロール、かっこいいですねえ。
|
臨時のお手洗いや水飲み場なども設置されていました。 |
いよいよ入場!!
厳しいセキュリティチェックを通過し、いよいよベールに包まれたエリゼ宮の中へ。パリの超中心地にこんなにゆったりとした緑の空間があることにまず驚きました。すぐ隣の車の通りが絶えないシャンゼリゼ大通りとは対照的です。
そして広い緑の先に官邸がたたずんでいました。こちらがフランス共和国大統領の公邸です。
エリゼ宮の歴史
建設は1722年です。その後はさまざまな歴史の舞台となりました。
建設は1722年、建築家モレによって貴族エバリュー伯の邸宅として誕生したそうです。そしてこの邸宅は当時のブルジョワの人々から大変な賞賛を浴びていたそうです。エバリュー伯がこの世を去った後は、ポンパドゥール伯爵夫人が買い上げその手に渡りました。その後別の人々の手に渡り改築を重ねたあと、1786年にルイ16世に遺贈されたそう。フランス革命時代は舞踏会などさまざまな用途で使用されたこの館、帝政時代に入ってからはナポレオン1世の所有となったそうです。彼の退位の際の署名もここエリゼ宮でおこなわれたとのこと。このような数々の歴史の舞台となり、再び王室の所有となったのは1816年のことだそうです。1853年にルイ・ナポレオンが全体的な改装を依頼し、現在のエリゼ宮の間取りの基本となっているそう。
ナポレオン1世が退位する際、署名をしたとされる銀の間。
|
|
ポンパドゥール伯爵夫人が来客の際に使用していたという間。
|
そして歴代大統領の公邸となったのは1874年とのこと。官邸内で1番ゴージャスな広間、祝宴の間は当時の大統領サディ・カルノのときに完成され、万国博覧会の際のパーティーがこちらでおこなわれたそうですよ!
官邸内には数々の歴史と現代のフランスの香り
官邸内ではフランス共和国の威光を示し、歴史を彩る装飾の数々に目を奪われます。
エリゼ宮が他の歴史的建造物と異なるのは、現代もなお国の重要な拠点として使われているという点ですよね。フランス大統領とアメリカ大統領との会談に使われた間、世界の首脳が集まったという広間。世界の要人を迎えたあの晩餐の間。メディアでしか見ることのないイメージを直接この目で見たときの感動はひとしおでした。その雰囲気を少しでも味わっていただければ!と普段は非公開の官邸内の貴重なショットをいくつかご紹介します!
ニコラ・サルコジ大統領の公式記念撮影がおこなわれたという図書の間。
|
|
公式なレセプションなどに使われるナポレオン3世の食堂。
|
閣議がおこなわれるミュラの間。
|
|
メディアによる大統領へのインタービューなどに使われた肖像画の間。
|
いかがでしたでしょうか。あらためて毎年9月の3週目の週末はヨーロッパ文化遺産の日です。人気のスポットは想像を絶する長蛇の列が予想されますが、その待ち時間を使ってでも見学する価値があるのでは、と思いました。以上パリナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-09-28