パリでもビストロブーム!ビストロの背景とその楽しみ方とは?!
こんにちは、パリナビです。さてパリといえば美味しいものの宝庫。グルメをお目当てに楽しみにしてくる人も多いと思います。と言っても、高級レストランで毎回食事するのもちょっと大変ですね。そういう時はもう少しカジュアルに行ける、ビストロはいかがでしょうか?
最近はフランスでもビストロブームで、レストラン並みの料理を出すお店も沢山登場しています。ビストロというと、家庭的な小さめのお店、といった印象を受けますが、実際のところお店によってはレストランとあまり変わらなかったり、ブラッスリーの延長のような感じであったり、定義づけがちょっと微妙なところです。
今回は、ビストロの背景と、実際にどんな料理が食べられるのかなどをご紹介していきたいと思います。
そもそもビストロとは?
もともとは一杯飲み屋が由来
今やビストロノミー(美食と言う意味のガストロノミーとビストロを合わせた造語)という言葉が普通に使われるほど、ビストロとレストランの違いが曖昧になってきました。
もともとビストロとは、カウンターでワインを一杯やりながら待ち合わせしたり仲間と喋ったりする、とても庶民的な一杯飲み屋でした。なので食事をする場所というよりは日本で言う昔の居酒屋的な存在だったようです。
食事メニューと言えば、朝はクロワッサンやトーストとコーヒー、昼はクロックムッシュやサンドイッチ程度。夜はそれこそ食べ物はなく、おつまみのピーナッツぐらい、というのが、昔のビストロのスタイルです。どちらかというとカフェやバーに近いかも知れません。
カウンターがあるのが基本
今でもそういったビストロはありますが、常連達がカウンターに並び、床にはピーナツの殻が散乱しているといった雰囲気なので、旅行者、特に女性には入りにくいと思います。
いつからかビストロ=定食屋のイメージがつき、現在では、レストランが家庭的な雰囲気を演出するためにわざとビストロを名乗ってみたり、営業形態に関わらずビストロという言葉が自由に使われるようになってきたことから、厳密に分類するのは難しいのが事実です。
今回は一般的なイメージのカジュアルレストランとしてのビストロとしてお話していきましょう。
気軽に味わえるランチタイム
シックなレストランできっちり丁寧なサービスを受けて食事するのは、贅沢な気分にさせてくれますね。ただ、テーブルマナーなど色々気をつけることが多くて少し肩が懲りそう。そういう時はビストロへ行ってみましょう。
気になるお店があったら、とりあえずランチで味見をしてみることをお勧めします。
なぜなら、ランチメニューは夜のメニューに比べてかなりお得。前菜とメイン、あるいはメインとデザート、といったランチセット(フランス語ではフォーミュル、あるいはムニュと言います)があり、幾つかの料理から自分の食べたいものをチョイスできます。お値段は15ユーロ前後、15ユーロ以下だとかなり安い方です。前菜+メイン+デザートだと20ユーロ前後。沢山食べられない人は、メインだけ頼んでも構いません。Plat du jour(プラ・デュ・ジュール)と言えば「本日の日替わり」という意味になります。
ランチが美味しかったら夜のメニューも安心。ただディナーだとセットメニューはなく、お値段はおよそ倍ぐらいになります。
ビストロの楽しみ方・雰囲気を味わう
ビストロの面白さは、料理だけでなくそのお店の雰囲気を味わうことにもあります。パリの中心地や観光客が多いエリアなら、英語が話せる店員さんがいるなど心強い部分もありますが、敢えて中心部から少し外れたエリアでのビストロを試してみましょう。その界隈に住んでいる人や働いている人達が通うお店は、常連さんがお店の人と挨拶をしたり、冗談を言ったり、本当のパリの食堂の雰囲気が味わえると思いますよ。
次はビストロによくある料理をご紹介します。
ビストロ料理って?
ビストロではやっぱりフランスの庶民の味、家庭的な味を楽しみたいもの。ここでは幾つかの定番料理を挙げてみたいと思います。
黒板に書かれた本日のメニュー
野菜スープ。ムースがあしらってある。
●野菜スープ(soupe de légumes):色んな野菜が入ったトロリと濃いスープ。他にもスープはあるが一番食べやすいものはこれ。
パテ。パンが進む!
●シャルキュトリー(charcuterie):基本的にハムなど豚肉加工品。ワインを飲む人にお勧め。
●テリーヌ(terrine)あるいはパテ(pâté):日本でもおなじみ。パンが進むので食べ過ぎにご用心!
ニシンもフランス風に
●ニシンのマリネ(hareng):ニシンのフィレにジャガイモが添えられたもの。こちらも定番の前菜。
ステーキは定番
●バヴェット(bavette):ステーキの一種で、通常グリーンペッパーソースで食べます。他にもステーキではオングレ(onglet)のエシャロットソースも定番。
新鮮な牛肉ならではのメニュー
●タルタルステーキ(tartare):生の牛肉を細かくたたいたもの(挽肉ではありません)。エシャロットやハーブ、ケッパー等をお好みで混ぜて食べます。付け合せはフライドポテトが定番。
日本人も好きなトマト味
●鶏のバスク風(poulet basquaise):バスク地方の郷土料理。トマトベースの鶏の煮込みは日本人にも親しみやすい味。
メニューはビストロによって様々。分からないときは肉(ヴィアンド)か魚(ポワソン)のどちらがいいと告げるとお勧めを教えてくれますよ。
最後にお会計ですが、レストラン式にテーブルで済ませる場合もありますが、日本のようにレジでお会計というスタイルもよくあります。これも食堂っぽいですね。その時はお店の人がそう言ってくれます。
ざっとご紹介しましたが、ビストロの楽しみ方は人それぞれ。あまりきっちりと下調べをしなくても入りやすいのがビストロの良いところなので、気軽な気持ちで食べに出かけて下さい!
以上、パリナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-11-20