クリスマス気分が盛り上がるビュッシュ・ド・ノエル。他にも色んなお菓子を集めてみました☆
こんにちは、パリナビです。フランスでクリスマスに食べられているお菓子と言えば、皆さんは何を連想しますか?代表的なものでは日本でもおなじみのビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noël)ではないでしょうか。クリスマス時期になるとパリのパティスリーやパン屋さん、スーパーマーケットなどでも色んなビュッシュ・ド・ノエルが店頭に並び、クリスマス気分を盛り上げてくれます。
でもこれだけではありません。クリスマスには他にも様々なお菓子が登場します。今回はクリスマス菓子の甘い世界にご案内しましょう!
ビュッシュ・ド・ノエルの由来
昔からの習慣がルーツのビュッシュ・ド・ノエル
何世紀にも渡って、12月24日のクリスマスイブには、暖炉に大きな薪を灯すという習慣が受け継がれてきました。生まれてくる幼いキリストを暖めるため、新年までの12日間(あるいは最低でも3日間は)燃やし続けるというものです。12日間というのは、新約聖書に登場する東方の三博士がキリストのもとへやってくるまでの日数と考えられています。
また、薪には魔女から家を守り来年の豊作を祈るという意味も込められていました。もともとは宗教的な儀式の一環だったのですね。
この伝統がなくなってきたときに、薪の代わりとして生まれたのが、お菓子のビュッシュ・ド・ノエルです。大体19世紀ごろと言われていますがその発祥は定かではありません。
それ以来、フランスをはじめベルギーやカナダのケベック地方、さらにはベトナムなど、フランス語が話される地方では、クリスマスの晩餐の後にビュッシュ・ド・ノエルを食べるという習慣が始まりました。
ビュッシュ・ド・ノエルいろいろ
巻いたスポンジケーキにチョコレートでコーティングし、フォークで木の模様をつけたものが伝統的なスタイルですが、今では自由な発想で色んなデザインのものがあります。
今回は13区にあるブランジェリー・パティスリーのレサンシエル(L’ESSENTIEL)さんにお邪魔して、オリジナルのビュッシュ・ド・ノエルを見せてもらいました。
まずは王道のチョコレートを使ったビュッシュから。
"La Madagascar"
基本形は表面にフォークで木の模様をつけますが、最近はデザインもバリエーションに富んでいます。こちらはダークチョコレートで表面をコーティング。ムース・オ・ショコラとビスキュイ・ショコラ、中心にはクリームという構造になっています。オペラのようなずっしりとした質感があります。
緑色が鮮やかなピスタチオのビュッシュ。
中央にはなめらかなアーモンドのムースにチェリーの層とピスタチオのビスキュイという三色構造。ピスタチオとチェリー、相性が良さそうです。色のコントラストもさわやか。
ナビが気になっていたビュッシュは、赤い森、という名前がついていました。
"La Forêt Rouge"
こちらはロールケーキタイプではなく、下から幾層にもなっているのが特徴。ホワイトチョコレート入り生クリームにミルクチョコレートのムースとフランボワーズ系のムースが重なっています。表面にはフランボワーズチョコレートで樹皮をイメージしてランダムにトッピング。フランボワーズの色が華やかです。
それでは他のクリスマス菓子も見ていきましょう。
サン・二コラとマネル
PaulのBrioche Bonhommeもマネル。
12月6日はサン・二コラの日です。主にフランスの北部やアルザス地方でお祝いをする子供たちのためのお祭りです。ベルギーやドイツでは長い間クリスマスの代わりにこの日にお祝いをする習慣がありました。このサン・二コラに、ショコラ・ショーと一緒におやつとして食べられるのが、マネル(Mannele)という人の形をしたブリオッシュです。パリではあまり大々的に祝う習慣がないようですが、パン屋さんでマネルを作っているところもあります。
パネトーネ、パンドーロ
クリスマス缶に入ったパンドーロ。
イタリア発祥のパネトーネ(Panettone)やパンドーロ(Pandoro)もフランスのクリスマスには必ず登場します。パネトーネはドーム型のブリオッシュ生地のパンで、中にレーズンなどドライフルーツが入っています。パネトーネを作るときに使用するイースト菌が保存料の役割をするので日持ちがします。長くて半年はもつのだそうですよ。
パンドーロは同じイタリアでもヴェローナの発祥。フルーツの入っていないパネトーネのようなものですが、背の高い八角形の星形というユニークな形をしています。パンドーロには粉砂糖をかけて食べるのが正しい食べ方。雪のように白く覆われた星形のパンドーロはクリスマスにぴったりという印象がします。
12月に入ったころからスーパーには大きな箱入りや缶入りのものが出回り始めます。
パン・デピス
マルシェ・ド・ノエルのパン・デピス
冬ならではのお菓子
フランスの冬の風物詩とでもいうべきパン・デピス(Pain d’épices)。簡単に言うとはちみつ入りジンジャーブレッドなのですが、実に色んなバージョンがあります。シンプルなものはパウンド型で焼かれた切り分けるタイプのパンです。中にはフルーツやナッツ入りのものがあったりトッピングがされたりと多様なデコレーションがされています。ケーキ型のもの以外では、いわゆるジンジャークッキーもパン・デピスの仲間です。あの童話に出てくる「お菓子の家」はこのパン・デピスで出来ているんですよ。
味の方はどうかというと・・・日本人に受ける味かどうかは微妙なところです。甘さよりも生姜の辛さが勝っているような気がしますが、これは好みということで。
さらにクリスマス菓子いろいろ
ブール・ド・ノエル
マルシェ・ド・ノエルに行くと色んなクリスマス菓子に出会えます。ドイツのシュトーレン(Stollen)もマジパン入りのもの、フルーツ入りのもの、ナッツ入りのもの、などなど・・・。こちらは薄切りにしていただきます。
ヌガー(Nougat)はお菓子としては普段から買うことができますが、マルシェでは大きな塊が量り売りでどんと売られていてかなりの迫力。
スーパーマーケットにはクッキーやチョコレートの大型の箱が並びます。クリスマスには親戚がみんな集まるという家庭も多いのでこれも納得。
ドイツのお菓子シュトーレン
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チョコレート詰め合わせは必需品
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クリスマス菓子の世界、いかがでしたか。フランス独自のお菓子というよりも、ヨーロッパの他の国の影響も沢山受けている部分が大きいですね。これも、カトリックという宗教圏の文化だからでしょう。ここで挙げたお菓子類は日本でも手に入りやすくなってきましたね。皆さんも今年のクリスマスケーキはビュッシュ・ド・ノエルにしてみてはいかが?
以上、パリナビでした。
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記事登録日:2014-12-10