旅行者のためのパリ安全情報

スリ、ひったくり、詐欺など、パリで邦人旅行者が実際にあった被害事例を挙げます。

こんにちは。パリナビです。
世界有数の観光都市パリでは、ツーリストを狙ったスリ、ひったくりによる被害が後を絶ちません。特に日本人は、いまだにリッチなイメージがあり、また、現金を持ち歩き、しかも日本は安全な国なので、警戒心が弱い、と考えられています。それで、スリやひったくりの対象になりやすいと言われます。今回パリナビでは、日本領事館に寄せられた例、実際に被害に遭った人の例を紹介し、対応策も挙げてみました。役に立てていただければ、幸いです。

スリ

スリが多い地下鉄1号線。

スリが多い地下鉄1号線。

<事例>
○地下鉄で、背負っていたリュックの中の財布をスラれた。降りた時にファスナーが空いていたので、不思議に思って確認したら、財布がなくなっていた。

○エッフェル塔でおみやげを買おうと思ったら、肩かけバッグの中に入っていた財布がないのに気付いた。入場券を買った時にはあったので、エレベーターの中でスラれたのだと思う。

○観光地を散策中、引ったくられないように、ななめがけにしていたポシェットがお尻の方に回っていて、気がついたら、財布が抜き取られていた。歩いている最中で、人に触れられた感じもしなかったので、まったく気付かなかった。
現金を使うマルシェもスリが多いので注意。

現金を使うマルシェもスリが多いので注意。

<ポイントと対応策>
地下鉄の中で特にスリ被害が多いのが、シャンゼリゼ、ルーブル、マレと人気観光地を通る1番線だと言われています。乗り物内、エレベーター内などの身動きのできない場所では、貴重品の入ったバッグは胸の前で抱き抱えるように持ちましょう。リュックも乗り物内、人混み、人通りの多いところでは背負わないこと。
蚤の市、マルシェなど、現金をもって買い物をする人が多い場所もスリに狙われやすいので、気をつけましょう。
財布やパスポートなどの貴重品はファスナーなどのついた口がしっかりと閉まるタイプの鞄に入れるようにします。また、高級品、ブランドものを目立つように身につけると、スリに狙われやすいので、注意してください。

置き引き

カフェで、置き引きにあうことも。

カフェで、置き引きにあうことも。

<事例>
○カフェでいすの背にかけていたショルダーバッグがいつの間にかなくなっていた。

○ホテルの朝食ビュッフェで、他の人に席を取られないよう、いすの上にバッグを置いてバイキングに食べ物を取りに行き、戻って来たら、バッグが盗まれていた。

○ショッピングの後に入ったレストランに買ったばかりのブランド小物を置き忘れた。店を出た後にすぐ気付き、慌てて戻ったけど座っていた席にはなく、お店の人に聞いても、見なかった、と言われた。ブランドロゴの入った紙袋だったので、盗まれたのだと思う。
<ポイントと対応策>
ホテル、カフェ、レストランの中でも盗難、置き引きは発生します。荷物を置いたまま、トイレに立つなど席を離れることは絶対にしないこと。貴重品の入ったバッグは、特に通路側の席には置かないこと。または、上にコートをかけるなどして、人目につかないようにしましょう。

ひったくり

人混みの中で、ひったくりが発生しやすい。

人混みの中で、ひったくりが発生しやすい。

<事例>
○空港からパリに向かう電車でドア近くに立っていたところ、駅で停車中、ドアが閉まる直前に、ショルダーバッグをひったくられ、犯人はホームに降り、ドアが閉まってしまい、どうすることもできなかった。

○お金を払って財布を手にもったままタクシーから降りたとたん、バイクが近づいて来て、
財布をひったくられ、バイクは走り去って行った。

○観光地で、スマートフォンでモニュメントの写真をとっていたところ、後ろから腕を回され首を絞められ、同時に別の人間がスマートフォンをひったくり、二人で走って逃げていった。肩にかけていたバッグは取られなかった。

○空港でタクシーに乗り、パリに向かう途中、渋滞にはまった。バイクが近付いてきて、いきなりスパナか何かで、ガラスを割り、座席に置いてあったバッグをひったくっていった。夏で半そでを着ていたので、ガラスの破片で軽いけがをした。
郊外電車RERは特に空港とパリをつなぐB線が要注意。

郊外電車RERは特に空港とパリをつなぐB線が要注意。

<ポイントと対応策>
空港からパリに向かうRERのB線は空港利用客をねらった犯罪が少なくありません。また、タクシーも上記のようなガラスを割るひったくりが起こるので、安全のためにシャトルバスを利用する観光客が増えているようです。また、スマートフォンのひったくりも多く、フランス人女性が、駅の階段でひったくられたはずみに転倒し、死亡した事件もあります。地下鉄内や人通りの多いところで利用する時は、注意しましょう。

詐欺

パリの警察署

パリの警察署

<事例>
偽警官
○偽警官の詐欺にあいました。二人組の制服姿の警官が来て、「麻薬捜査をしているので、パスポートと財布を見せてください」と言われました。近くにいた人が素直に見せていたので、つい自分も財布を出してしまい、返してもらったのですが、お札が抜き取られていました。一人が調べている間、もう一人に「どこに滞在している?」とか質問され、気をとられている間に、抜き取られたのだと思います。素直に見せていた人は、仲間だったと思います。
<ポイントと対応策>
他にも「偽札事件が起こった」と言って、同じような詐欺をはたらくケースもありますが、警察官が路上で、財布を見せるように要求することはまずありません。きっぱり拒否しましょう。それが難しければ、バッグの中の財布を探すふりをして、「ホテルに忘れて来た!」と言って急いで立ち去りましょう。
地下鉄構内の切符売り場

地下鉄構内の切符売り場

<事例>
切符詐欺
○駅で回数券(カルネ)を買おうとしていると、男が寄って来て英語で「カルネを安く売ってあげる」と未使用の新しい回数券を見せた。安いと言っても、1ユーロの得だったので、間違えて買ったのかな、と思い、言われるままに購入。その後、パリ在住の日本人の友人に会い、それを見せたら、子ども料金の回数券で、もしこれを使っているのが見つかると罰金を払わなければいけない、と言われた。
<ポイントと対応策>
同じようなケースで、1日乗り放題券とか3日放題券と言われ、普通の切符を渡されたりすることもあります。切符は自分で買うようにしましょう。

ブランド品購入を頼まれる

観光客に人気のブランド店

観光客に人気のブランド店

<事例>
ブランド品の店の前で、アジア系男性に英語で話しかけられ、「お金を渡すので、ブランド品を買ってきてほしい、自分は中国人で、フランス人には差別されているので、買うことができない」と頼まれた。せっかくの旅行中、時間を無駄にしたくないので、断ったが、新種の詐欺かもしれないと、怖くなった。
<ポイントと対応策>
高級ブランド品を大量に買い付けて不正に免税措置を受け、日本やアジア各国に運んで売却して利益を得ている業者がいます。その対応策として、高級ブランド店は、購入点数を制限したり、名前をチェックしたりしています。それで、そのような業者は、観光客に声をかけて、現金を渡し、代わりに購入を頼んだりするのです。偽札を渡されるのでもなく、詐欺行為というわけではありませんが、このような買い付けは、違法行為にあたるので、それに加担することは避けましょう。

盗難や詐欺行為の被害を最小限に抑えるためにも、まずはなるべく現金を持ち歩かないようにしましょう。ただ、どんなに注意していても、被害にあう可能性は、旅行者に限らず、フランス人にだってありますので、あまり神経質にならず、パリ旅行を楽しんでいただきたいものです。
以上、パリナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-03-08

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